第51話 亡骸(3)
サラに泣きながら恨みつらみを言われ。
他界した僕を返せと言われ続けているアイカは。
「サラ、わらわもまさか、こんな事に……。只わらわは家のひとに対して嫉妬していただけなのに。まさか家のひとが死ぬようなことになるなんて夢にも思わなかったの……。だからわらわも今は本当にどうしたら良いか分からない状態だから。本当にごめん。ごめんなさい……」
アイカの奴はただ僕やウルハ。
その他の奥さま達に対して嫉妬心を募らせていただけ、不貞腐れていただけで。
アイツは夫の僕のことを殺す気はなかったと、サラに説明をしたらしい。
でも、あの時……。
僕が死ぬまでの経緯で、アイカは妻らしい振る舞いを破棄して。
僕に冷たく当たっていたから。
「うそよ! うそよ! アイカ姉が言っていることは全部うそだ! アイカ姉が健ちゃんに対して冷たく当たっていたのをみんな見ていたのだから! アイカ姉はうそをつかないでよ!」
サラが泣きながら罵声を吐けば。
「そうだ!」
「そうだ! そうだ!」
「サラの言う通りだ!」
「酋長は男王を裏切った!」
「健ちゃんを蔑ろにした!」
あの場に居た者達の大半異常が、アイカに対して不満を漏らし、喧騒へと変わったらしい。
それこそ?
暴動が起きそうなレベルだったらしいよ。
でも直ぐにさぁ、僕に勝利をした覇王ウォンが!
「お前等~! 何、アイカに不満を吐いていやがる!」、
「これ以上! 俺のアイカに不満を言えば! このチビみたいに躯にしてやるぞ! 貴様等、分かったかっ!」と。
直ぐにウォンの奴に一喝されて鎮静化……。
あの場の騒めきは、直ぐに収まったらしいけれど。
「姉さん!」
シーン! と。
また静まり返った静寂の中で。
ウルハのことを呼ぶ少女は、何かをあいつに投げ渡したらしい。
するとそれを受け取ったウルハは。
「ああ、やっときたか。待ちわびていたよ……。これで家のひとの仇がとれるよ……」
と呟きながら立ち上がり。
ウルハは少女から受け取った物──。
そう、銅製の大刀を構え。
「ウォン! 調子に乗るんじゃないよ。あんたの事を、うちが今から八つ裂きにしてやるから! 覚悟しな! ウォン!」と。
ウルハはウォンのことを憎悪のある目で睨みつつ。
◇◇◇
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