第12話 女神様! (1)
「えぇ、えええっ! 何で、アイカさん! 僕が家族ではないシルフィーさんの汚れ物を洗濯しないといけない訳?」
「本当だよ。アイカ姉。健ちゃんの言う通りだよ。何で健ちゃんが、母上の下着や衣服を洗わないといけない訳なの? それってさ、絶対に可笑しいよ?」
「アイカ姉さま、旦那さまやサラの言う通りです。何故お母さまが旦那さまを御指名されるのですか?」
「本当だよ、アイカ姉! プラウム姉の言う通りだよ。それにさ、アイカ姉自身は、それで納得できる訳? サラは絶対に納得ができないから」と。
う~ん、確か、こんな感じだったかなぁ?
僕が最初に不満を漏らしたと思う。
そしたらね?
シルフィーの娘二人……。
そう、サラちゃんとプライムさんの二人がね。
一緒に神殿に住んで居ない自分達の母親……。
アイカさんやエリエさんの義母にもなるシルフィーの下着や衣服……。
彼女の身の回りの世話を僕が何故しないといけないのか? と。
二人は憤怒しながら詰め寄ったと思う?
そんな二人の様子を窺っていたエリエさんが、困った顔をしつつ。
「プラウムもサラも落ちつけ」と諫めた。
でもシルフィーの身の回りの世話をするのは僕だから。
僕が最初に義母だったアイツの身の回りの世話をするのは嫌だと不満を漏らしたのだけれど。
夫である僕の不満は却下──。
奥さま達だけで、この後も僕を放置したままで、家族会議を始め、おこない。
でッ、その内容の中に。
僕の気まぐれな女神さま……。
そう僕が以前から疑問に思っていたこと。
何で僕のような貧相、貧弱で、魔力も武力もない青瓢箪のガキを日本からと言うか?
僕を日本から強制的な異世界転移──神隠しに合わせた癖に。
僕に女神がみさまは、チート的な魔力、武力、スキルに魔法アイテムを恩赦として与えてくれる訳ではなく。
僕に麗しい奥さまを四人与えてくれるだけに終わった。
超気まぐれ女神さまこと、シルフィーの身の回りの世話を、僕が何故しないといけなのか?を。
アイカさんは妹二人へと説明……。
でッ、最後には、プラウムさんやサラちゃんも『うん、わかった』と。
二人は渋々と姉であり。
この集落の酋長であるアイカさんが決めたことに対して同意をしたのだが。
まあ、要するに簡単に説明をすれば。
シルフィーが自身の気に入った男を夫にするために異世界から攫う。
攫った僕の容姿を見て、アイカさんが気に入ったから。
自分の婿にすると言いだして、僕を姉妹で独占した。
でも女神さまは、やはり僕のことが忘れられないから。
僕のことを返してくれとアイカさんへと嘆願してきた。
でもアイカはこんな調子のツンデレ、ビッチだけれど。
僕のことを気に入っているから返したくはないから。
じゃ、親子五人で異世界人の妻になり、独占をすればいいじゃないか? と言うことになっていた。
それも僕自身は、つい最近、集落の女性達から教わったのだけれど。
シルフィーの奴は、本当にいい加減にしてくれと思う。
と、言うか。
まあ、あいつには、僕自身も悪態をつき、責めたこともあるけれど。
僕を召喚はできたけれど。
日本に帰還をさせることは不可能なのごめんなさいと。
エルフな女神さまに頭を深々と下げられ、涙を流されれば。
僕自身も運がなかったのだと諦めることにした。
でも、今の僕の様子……。
ツンデレ、ビッチのアイカから逃避行をする羽目になるぐらいならば。
僕はもっと、シルフィーの奴に対して、悪態をついてやればよかったと後悔をしている。
◇◇◇
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