第10話 御妃様達に褒められた事もある (1)
「よーし! がんばるぞ!」、
「おぉ、おおおっ!」
僕が部屋の中で元気よく、叫んでいる光景なのだが。
僕は毎朝、朝食の準備を終え、家族で食べ終わると。
まあ、当たり前のように片づけをしていた。
でッ、片づけが終われば。
僕が神さま、女神さまから、強制的な異世界転移の特典でいただいた。
四人の奥さまの達が身支度……。
そう、寝汗を流し、さっぱり! ぽっきり! をするための湯浴び、水浴びの準備をおこなっていた。
でもね、僕の宝物の四人奥さま達には元々、そう言った習慣がなく。
僕が日本にいた頃の習慣であった朝シャンをして寝汗を洗い流す癖が抜けなくて。
僕が朝食の片づけを終えると。
一人水瓶から水を掬いつつ。
自身の寝汗を流していると。
「健太、何をしているのだ?」
アイカさんが、中々神殿へと戻ってこない僕のことが心配になったのか?
それともアイカさんが偶々、トイレへといきたくなり、神殿の外へとでてきて。
僕のことを偶然に見つけたのかは?
僕自身も解らないから。
未だに首を振るしかないけれど。
でもあの時僕が、神殿の裏で。
「わぁ~、マジで、水浴び気持ちいいやぁ~。マジで生き返ったような気がする~」
僕が歓喜しながらバシャバシャと。
自身の身体に水をかけさっぱりしていると。
アイカさんが僕の様子を見て、首を傾げるから。
「寝汗を流すために、水かけをしているのだよ」と告げ。
「僕は日本にいた時は毎朝起きると。シャワーと言う物を使用して寝汗を流していたんだよ。さっぱり! ぽっきり! と気持ちいいから」
僕はアイカさんへと微笑みながら告げたと思う?
「ふぅ~ん、そうなのか、健太?」
「うん、そうだよ。アイカさん」と。
僕がヒロインさまへと言葉を返しつつ、ジャバ、ジャバと、自身の身体に水をかけ続けていた。
「…………」
するとアイカさんは、僕のしていることが気になるのか?
興味津々に僕のことを見詰め続けるから。
「僕がアイカさんの汗を水で洗い流してあげようか?」
僕はアイカさんへと尋ねた。
「……ん? いいのか健太? 面倒ではないのか?」
あの時のアイカさんは僕に対して珍しく、気兼ねしながら言葉を返してきた。
でもアイカさんは僕の大事な
僕が命に代えても守らないといけない奥さまだと思っていたから。
「アイカさんいいよ。こちらにおいで。僕が綺麗にしてあげるから」と。
この時の僕は、彼女の夫らしく、優しく微笑みながら言葉をかけ、手招きまでした記憶がある。
「えっ! 本当にわらわの身体を綺麗にしてくれるのか、健太?」
そんな僕に対してアイカさんは、自身の両目の瞼を大きく開け、可愛く。
そう僕がアイカさんの庇護下にいる最中でも数度ぐらいしか記憶がないぐらい可愛い笑みを。
ヒロインさまは浮かべつつ、僕へと確認をとってきた。
「うん、いいよ。洗ってあげる。だからアイカさん早くおいで」
僕は更に彼女へと手招きの、手を振る速度をあげ、急かし呼んだと思うよ。
そのためか、どうだか解らないけれど。
あの時のアイカさんは僕のことを凛々しい夫だと思ってくれたのかな?
いつもの凛々しく、勇んだアイカさんではなく。
大変にしおらしく、可愛いアイカさんだった。
だから彼女は僕に可愛く。
「あ~い」と返事をしながら駆け寄り。
僕の前に可愛く立つから。
僕はアイカさんへと優しく桶で汲んだ水をかけつつ。
「アイカさん、水が冷たくないかい?」と。
何度も優しく声をかけつつ、水をかけ。
僕の手で彼女を優しく、マッサージをするように洗った。
「うぅん、わらわは別に冷たくないよ。あなた~」
この時と、あの時だけは。
アイカさんは、僕のことを『健太』と名指しをする訳ではなく。
『あなた』と、僕の妻らしく、甘え声音で告げてくれたから。
この日を境に僕は今日までアイカさんとエリエさん、プラウムさんとサラちゃんの髪や身体を朝夕洗い続けては。
奥さま達から絶賛、褒め称えてもらった。
でも今晩からは僕ではなく。
あの男が、僕の大事だったはずの奥さま達の髪や肢体に触れ、洗うのだと思うと。
何だか切ないし、自害したくなる衝動に駆られる僕……。
でも僕の宝物だった奥さま達が。
僕のことを絶賛、褒め称えてくれるのは。
彼女達の身体を洗うだけではなく、話しの冒頭シーンになるけれど。
僕は屋敷の掃除をするのも上手だと。
元奥さま達に告げられた、だけではないか?
もう一つ大事なことがあったよ。
それは何故か僕でないとダメなのだと。
アイカさんや他の奥さま達からも告げられてしていた家事だけれど。
その理由がわかるまで、僕は大変に苦労をしたのと。
ここから僕の本当に意味でのブラックな異世界ハーレム王生活が始まり。
僕は最後にはこの通りで。
アイカやその他の妃達を捨て、逃避行をする羽目に陥る。
◇◇◇
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