第8話 物語とは違う、僕のハーレム王生活の内容は? (2)

「健太~。お前~。動物の解体ぐらいで嘔吐するとは、本当に情けない奴だな~」


「えぇ、だって……」


「ええぇ~、だっても、クソもないぞ、健太……。今エリエがしている事は。本来貴様がわらわ達の為にする事なのだから。健太は目を背けたり。嘔吐をしたりしないで、ちゃんとエリエの解体作業を見るのだ。分ったな?」


 まあ、未だにさ、僕自身が余り得意とはしていない。


 僕の奥さま達が狩猟して獲ってきた動物の解体作業。


 僕は最初、動物の解体作業をするようにとアイカさんからの指示が出た時に。


 僕は産まれてこのかた。そんな作業を見たことも、したこともないと告げ。


 その後はアイカさんに無理ですと告げると。


 アイカさんがこの通りで、妹のエリエさんを呼んでね。


 僕の目の前で、生きている動物の断末魔を聴きつつ。


 地面が真っ赤に染まる解体作業を見学して。


 自身の眼から涙を流しつつ、嘔吐をしたら。


 確かこんな感じで、アイカさんに悪態をつかれた。


 僕は気弱でだらしのない男──夫で、最低だとね。


 だから僕もアイカさんへと不満を少し漏らし、抵抗をするのだが。


 アイカさんに一喝され。


 その後は叱咤激励された記憶があるけれど。


 僕自身も余りいい思い出ではないから。


 ハッキリとは覚えてはいないけれど。


 まあ、こんなことを言ったかな?


「えぇっ! うそ?」


「嘘ではない! 本当だ!」


「で、でもアイカさん? 僕の産まれ育った世界の日本では。お肉はスーパーでパック詰めになって、小売りされているから。僕自身が動物を解体することなんてないし。僕自身、こんなスプラッタな動画を見るのも苦手だから。生きている動物の解体作業などできないよ」


 僕自身もアイカさんへと、自分の生い立ち。


 産まれ、育った環境の方もちゃんと説明をした。


 それでも彼女から見た夫の僕は、大変に弱々しく。


 酋長である自分が、頼ることさえもできない軟弱な者に見えたみたいだから。


「はぁ~、それでも健太! 貴様は! わらわの夫であり。男王なのか? 獣の解体作業ぐらいで目を背けるな。嘔吐もするな! そして今エリエがしている事は。次回から健太、お前がわらわ達の為にやれ! 分ったな、健太!」


 アイカさんはこの通りで、僕にウムも言わせない勢いで不満を告げ。


 任意ではなく、強制だと下知をくだしてきた。


 だから僕は次の日から、涙を流しつつ、嘔吐を何度もし、吐きながら。


 動物の解体作業をこなしつつ、覚え。


 今に至るけれど。


 それでも僕は未だに動物の解体作業は苦手でね。


 嫌々ながらしていたけれど。


 これからは僕自身も一人で生きていかないといけない訳だから。


 今後は嫌がらずにしようと思う。



 ◇◇◇





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