第7話 物語とは違う、僕のハーレム王生活の内容は? (1)
『お父さん! お母さん! 僕は奥さま達と仲良く元気に暮らしていますよ。だから孫ができれば里帰りをして見せにいきますね!』と。
僕は言いたいところではあるけれど。
僕がいる寝所の様子を見てもらえればわかる通りだ!
夫の僕以外は、みんな睡眠をしている最中と言うことは。
この家の家事は僕が全部一人で仕切っていると言うことになるから。
『わっ、ははは。みんな、どうだ! 僕は凄いだろう!』
僕はみなさんに胸を張って言えられないよね。
僕は男の子であり。
本来はこの家の主、大黒柱になるために召喚をされたはずなのに。
僕の異世界ファンタジー的な、ハーレム王生活はこの通りで。
僕の妄想や夢……。
日本で観た! 読んだ! アニメや漫画、ライトノベルのような煌びやかで、甘い生活とはかけ離れたものだったよ。
まあ、奥さま達の僕の扱いが、執事ならばまだいい方だったと思うけれど。
僕の四人の奥さま達は。
僕を下僕のような扱い。
そう、僕は幼少期からがり勉でね。
自身の両親から、僕が一人息子と言うこともあり。
花よ! 蝶よ! と。
温室で過保護に育てられた僕だから。
幼い頃より、自分の学生カバンより重たい物を持ったこともないのに。
アイカさん達は僕へと肉体労働と呼ばれものさせては扱き使う。
そう、ブラックな待遇生活を僕は、送り続けていたから辛かったと。
僕が不満を漏らせば。
こんなにも麗しい奥さまを四人も神さまから与えられたのだから。
みなさんは僕のことを贅沢者目! ブラックな重労働ぐらい我慢をしろ! と思う違いない。
だから僕もね、我慢をしたよ。
耐え忍んだよ。
素知らぬ振りもしたよ。
そしたらこの通りの有様……。
僕は泣きながら逃避行をしないといけない有様だよ。
まあ、僕が大変に弱い生き物……。
犬や猫と変わらない程度のペットや下僕だったから仕方がない。
そんな待遇の僕の朝一番のお仕事は、近くを流れる小川へといき、水汲み。
それも大きな水瓶の中が水で満タンになるまで、僕は何往復も通うから。
僕はなんかさ、まるで、お○んみたいと嘆いても。
みなさんもわからないだろうから話しを進めるね。
でッ、水汲みが終えると今度は、集落付近のジャングルを探索──。
僕は野鳥や蛇、トカゲの卵がないかを見て回る。
そして見つけたら、石のフライパンの上で、食用油も引かずに卵焼きを作るのだが。
この集落内では、卵焼きや目玉焼きを作る習慣はないから。
僕のヒロインさま達四人は大変に御満足でね。
「健太は料理が上手だな。あっ、ははは」と。
アイカさん達が褒め称えてくれたから。
これは少しばかり、嬉しかった気がする。
でも、卵焼きや目玉焼きを食べたぐらいで。
育ち盛りの僕の胃が満腹になる訳はないから。
僕はさつま芋やジャガイモの代わりに。
東南アジアのヤム芋や日本の長芋によく似た芋を見つけてきては、焼き芋にしたり。
バナナによく似た果物焼いたりしてね。
白いご飯やパンの代わりに奥さま達へと朝食として出していた。
早朝から働き者の僕だった。
◇◇◇
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