第4話 強制召喚された先の、僕の家族は(1)

 ドン!


「アイカ姉、終わった?」


 あの日! あの時! 部屋の扉が急に開けば、この通りだった。


 大変に元気のある声音で、僕のヒロインさまを呼ぶ声が聞こえてきた。


 だから僕と起きたばかりのヒロインさま……。


 そう、僕の奥さま、アイカさんはね。


 二人仲良く部屋の扉へと視線を変えた記憶がある。


「ああ、終わったぞ」


 アイカさんは確か?


 自身の首に首飾りしたり。


 ビキニのような衣服を着衣している最中だったと思う?


 そんな最中に、突然入って侵入者──。


 それも勢いよく、寝所へと侵入してきた女性へと。


 僕のアイカさんは、『あれが、これが』が、終わったのか? を問われ。


 彼女はもう既に終了したと言葉を返した。


 だから僕は「えっ!」と嘆息を漏らした。


 そしてこの人は誰? 誰なのだ? と本気で思った記憶がある。


 だってこの時の僕はね、産まれたままの姿でいた。


 そんな状態の僕の目の前に、突然彼女が現れた訳だから。


 僕は唖然、呆然とした記憶もあるよ。


 でもね、彼女は。


 僕が産まれたままの姿でいようがお構いなしと言うよりも?


 彼女自身が進んで、僕の産まれたままの容姿を。


 上から下、下から上へと舐めるように見てね。


 最後には、僕の大事なところを入念に見詰め。


 フムフムと納得をしたような顔をすれば。


「じゃ、アイカ姉? サラ達がもう、この子を使って大丈夫?」


 まあ、彼女の名前はね、サラちゃんと言って。


 アイカさんの末の妹になるのだけれど。


 あの時の僕が、理解不可能なことをサラちゃんは、アイカさんへと告げ、訊ねた。


 だから僕は自身の首を傾げながら。


「あの、君? 僕を使うって、何に使うの?」


 僕は本気でサラちゃんへと尋ねた記憶がある。


 まあ、あとで僕自身も考えると。


 なるほど? と。


 僕自身も納得することなのだが。


 あの時の僕は、あの部屋がね。


 自分達二人だけの淡く、甘い寝所だと、ばかり思っていた。


 だから僕は、自分達二人の愛の巣へと、ズカズカと入ってきた侵入者であるサラちゃんに対して。


 僕自身は余りよい顔をしていなかったと思う。


 でもサラちゃんは、根っから明るい娘だから。


 そんな僕を見ても、直ぐに怪訝な表情をするアイカさんとは違い。


 御日様のように微笑みながら僕を見詰めていた記憶がある。


 まあ、そんなサラちゃんに対して後ろから。


「サラ、あなたは~。もう少し、柔らかく言えられないの? 旦那さまは目の前にいるのよ。貴女は恥ずかしくないの?」


 もう少しお淑やかにするようにと。


 彼女を諫める女性の声がした。


 だから僕は声の主へと注目──。


 サラさんの後方を見詰めた。


「う~ん。別にプラウム姉。サラは恥ずかしくないよ。だってサラの目の前に。この子の大事な物があるけれど。全然恥ずかしくもないよ。だってこれって神聖な物なのでしょう? アイカ姉? プライム姉?」


 僕がサラちゃん後ろから、彼女を諫めつつくる女性ひとはどんな人なのだろうか?


 首を上げつつ見ていると。


 サラちゃんが、こんな恥ずかしいことをアイカさんやプラウムさん……。


 そう、アイカさん姉妹の三女である彼女へと尋ねた。


 だから僕はまた「えっ!」だよ。


 確か驚嘆を漏らしつつ。


 僕は我に返ったようになれば。


 プラウムさんの女神のような麗しい容姿を。


 自身の眼で探す行為を辞めた記憶がるのと。


 僕は自分自身が、大事な物を曝け出していることが恥ずかしくなり。


 僕は慌てて隠した記憶がある。


「ちょっと何で隠すの、君? それはアイカ姉のだけではなく。サラの物でもあるのだから。隠さないでもっと見せてよ。サラ始めて男性の大事な物を見るから。興味津々で仕方がないの~。だから見せてよ。サラの旦那さま」


 でもこの通りだよ。


 この可愛いく明るい娘もね、アイカさんと同じく、僕の妻だと言ってきた。


 だから僕は「えぇ、えええっ!」と、また驚嘆を吐いた記憶があるのと。


 僕が両手で隠していた物をサラちゃんに強引に奪われた記憶があるよ。


「それサラの物だから早く返してよ。旦那さま」と。


 不満を漏らしつつだよ。


 だから僕は「ちょ、ちょっと待ってよ、君~!」と慌てふためいた声音で。


 一応サラちゃんに抵抗しつつ。


「アイカさん、これはどう言うこと?」と尋ねた。


「ん? どう言うことって。そう言うことだ。健太……。サラも健太の妻だから大事するように」


 アイカさんは、無表情身支度をしながら僕へと告げてきた。


「えぇ、えええっ! アイカさん、もしかして僕ってハーレムなの?」


 サラちゃんの欲望に抵抗しつつ。


 僕が絶叫交じりでアイカさんへと尋ねたと思う。


「うん、そうだ。健太……。お前、ハーレムと言う言葉を良く知っていたな」


 アイカさんが僕の漏らした言葉に感心しつつ尋ねてきた。


「えっ! いや、僕の産まれ育った世界のアニメや漫画、ライトノベルと言われる物に。異世界ハーレム王になった人達の話しがあるから知っているだけだよ」


 この時の僕はね、アイカさんに対して。


『どうだぁ~、僕は、物知りで凄いだろう』と胸を張り、ではなく。


 自身の大事な物を両手で隠しながら告げた。


 でもね、魔法も使用できない上に、力もない僕だから。


 いくらサラちゃんに抵抗しても無駄だから。


 自身の両腕から大事な物を強引に奪われ。


「い、痛い!」と僕が悲痛な声を漏らせば。


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