第3話 僕のヒロイン様はオーク種族の酋長(1)
「うぅ~ん」、
(……ん? あれ?)、
(ここは一体何処だ?)、
(何処なんだ?)と。
僕は自身の瞳をキョロキョロと動かし、辺りを見詰め確認した記憶があるよ。
そう、あの時、僕自身が瞼を開けると。
僕の部屋の天井とは違う光景が瞳に映った。
だから僕は困惑、動揺した記憶があるけれど。
僕は、自身の瞳が動く範囲内で部屋の中の様子を窺い始めた。
すると僕の瞳に最初に映る光景は天井でね。
その天井を見れば。
この部屋が丸太を加工して造った。
ログハウスのような造りをした屋敷なのだと。
あの時の僕は理解ができたから。
(ふぅ、先ほど僕に起きたショッキングな出来事。異世界ファンタジーな出来事は。僕の夢ではなく。本当に起きた出来事なんだ)と。
自身の脳裏で呟いた記憶があるのと。
「すぅ、すぅ」
僕の耳に人の寝息も直ぐに聞こえてきた。
だから僕は人の寝息のする方へと視線を変えた。
すると僕の下半身を抱き枕のようにしながら抱きついて、寝ている女性の姿……。
そう僕の何処が、彼女は気に入ったのかは知らないけれど。
僕の意志とは無関係に強制的な異世界召喚──。
まあ、連行と言う奴を実行したと思われるヒロインのアイカさんがね。
僕の横で寝ている姿を凝視した。
だからあの時の僕は、ホッとして胸を撫でおろした。
だってみなさんも異世界にきて一人だったら寂しいじゃない。
でも今の僕の状態──。
二人から逃走をする姿を見れば。
僕は一人でもよかったかな?
「あっ、ははは」と。
僕が笑い誤魔化したところで、話しを先に進めるけれど。
それでもあの時の僕は、自身の真横でアイカさんが気持ちよさそうに寝ている姿を凝視すれば安堵できた。
だって僕が産まれ育った日本には異世界召喚──。
右も左もわからないのに、一人放置の話しも多々あるじゃない。
でも僕の異世界召喚にはちゃんと、家族と呼べる
それも妻となる女性がちゃんと用意をされた異世界召喚だった。
一人放置の物語の
あの時の僕は、バカでアホだから思ったよ。
これから先に、こんな辛い出来事が待っているとも知らないから。
僕のような情けない、貧弱、貧相。
魔力も武力も備わってはいない。
そう、僕の宝物を守ることもできないような男は。
強制的な異世界召喚の一人放置でよかった気がするよ。
そうすればこんな悲しい思いをしなくてもよかった気もする。
それか?
日本のような法治国家ならば。
僕は絶対に弁護士を立て、不倫をした二人から。
ユー○ューブの動画サイトによく流れている【ざまぁみろ】の動画みたいに慰謝料をたっぷりととり。
二人に地獄を魅せてやるのにさ。
個々が法治国家ではなく。
僕が神さま、女神さま、仏さまから頂いたヒロインさまの。
YESとNOで決まる集落にいたから。
僕自身が我慢ができないならば、集落から出て独りで。
僕は安住の地を求めて旅を続けるしかない。
ああ、これって結構な異世界ファンタジーだな、僕の一人旅もと思えば。
僕の気分の方も少し楽になるから。
また僕の過去の話し、愚痴話に戻るけれど。
僕は神さまが与えてくれた、強制的な異世界ファンタジーの特典である。
麗しいヒロインさまの寝顔を見て、見惚れしながら。
僕は本当に、こんな綺麗なヒロインさまをお嫁さんにしてもよかったのかな? とも思った。
だって僕の奥さま。
名前はね、アイカさんと言う名前なのだけれど。
異世界ファンタジーのヒロインさまには珍しい。
オークと呼ばれる緑色の、エキゾチックな肌の色を持つ種族の女性でね。
髪の色の方も、炎のように赤い紅色の髪を持つ、麗しい女性の上に。
先ほども僕が少しばかり説明をしたけれど。
僕のヒロインさまは、この集落の酋長さま、女王さまだった。
だから僕的には、エルフやダークエルフに獣人族。
そして僕のような人種の女性ヒロインではないアイカさんは。
大変に貴重な存在、ヒロインさまだった。
だって僕的にはオーク種族と言えば。
ムキムキ筋肉の、マッチョな体型……と言うよりも?
ゴリラみたいな体躯をイメージしていた。
でも僕のアイカさんの素晴らしい、裸体の容姿を見ればわかる通りで。
彼女は大変にスラリと背が高く。
海外のセレブなモデルさん達のように手足も長い上に。
胸も大変に大きく、お尻もキュッと締まっているから。
海外のスーパーモデルさん達をも凌駕する。
スーパーボディーの持ち主だった。
だから僕の下半身を抱き枕にして可愛く眠るアイカさんを見れば。
僕のような貧者、貧相な少年が。
こんな麗しい女性を妻にもらっても本当にいいかな? と思ってしまうのは当然のことだったから。
あの時の僕は、部屋の天上見詰めつつ。
ああ、神さまありがとう!
僕にこんな麗しい奥さまをくれて。
僕は必ず彼女を幸せにしますから。
見ていてください、神さまと。
僕は自身の顔の前で、両手を合わせつつ。
天井に向かって、何度もお礼を告げた記憶がある。
こんな不幸な目に遭うとも知らないからね。
◇◇◇
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