第2話 どうやら僕は自身の意志とは無関係に神隠しに遭ったらしい (1)

(えっ! 誰、女性このひとは?)


 僕がね、自身の唇に触れる柔らかい物と。


 口の中で暴れ回り、絡んでくる柔らかい物の正体を暴こうと。


 自身の瞼を開けた。


 すると、そこにはさ、女性のアップな顔が。


 僕の両目の瞳に写し出された。


 だからあの時の僕は、まだ朦朧とした意識ではあったけれど。


 僕は直ぐに自身の脳内をフル回転させた。


 そして自分自身が置かれている立場を思案。


 う~ん、う~ん、と考える人にはなった。


 でも僕自身は直ぐに、自身の舌に絡む柔らかい物は何かを悟ることができた。


 だから僕自身も思春期の少年だと言うこともあるから。


 自身の初めてのキス。


 そう、ファーストキスと言うものを。


 僕は初めてのキスにも関わらず。


 強引な異世界召喚の謝礼として、大人のキスと言うもので味わうことができ。


 そのまま僕は大人のキスを堪能しつつ。


 自分自身が置かれている立場を思案をしたと思う?


 でっ、思案をした結果がね。


 多分僕は生まれ故郷の日本での流行り? 


 まあ、流行りと言っても。


 異世界ファンタジーなアニメ、マンガ、ライトノベルに描かれ、書かれている。


 《《異世界召喚》)と言う奴を。


 それも、僕の意志とは無関係に強制的に連行する。


 神隠しに遭ったのだと悟る。


 そして悟れば。


 僕と大人のキスを満喫している女性が。


 僕のことを異世界へと強制召喚をしたヒロインさまなのだろう? と思い。


 この女性ひとが今後、僕の人生を左右するヒロインさまになるのだから。


 僕は緑の肌色をした。


 紅色の髪を持つ、麗しいヒロインさまへと。


「ぼが、やが、まが、けん、がっ。あが、だば、だが、でずご?(僕は山田健太と言いますが。あなたは、誰なのですか?)もごもご……」


 あの時の僕はまだ、ヒロインさまと唇重ね、舌まで絡めている最中だった。


 だから僕自身は、全くと言って良いほど言葉にならない状態ではあったけれど。


 僕はと呼ばれる世界観と言葉に慣れた日本人だからね。


 僕が只今置かれている状態に対して、慌てふためくこともなく。


 僕はしっかりとヒロインさまとの初めてのキスを堪能しつつ。


 彼女へと冷静に尋ねてみた。


「……ん? わらわか?」


 するとヒロインさまは、僕と舌を絡める行為をやめ。


 僕へと言葉を返してくれた。


 だから僕はヒロインさまへと。


「はい、貴女です」と言葉を返した。


「わらわは、このオーク種族の集落の酋長であるアイカだ。婿殿」と。


 僕の異世界ファンタジーのヒロインさまは。


 今まで僕が観て読みした異世界ファンタジーなアニメやマンガ、ライトノベルのヒロインさま達……。


 そう、どの定番ヒロインさまの種族にも属さないオーク種族だと。


 僕説明をしてくれた。


 だから僕は、自身の両目を大きく開けた。


「えぇえええっ! うそ? そんなレアな種族! うそでしょう?」


 僕は、自身のヒロインさまの種族が人種やエルフ、ダークエルフ。


 女神さまや魔王さまではなく。


 だと聞き。


 大変に驚いた記憶がある。


 でっ、この後僕は、強制的な異世界ファンタジーのお決まり通りに。


 彼女、僕だけのヒロインさまに。


 自身の制服のシャツの首の襟を掴まれ、引きづられながら。


 やはり僕の意志とは無関係に。


 彼女の寝所へと強引に連行され、契り。


 僕は酋長さまの旦那さまになったから。


 今後の余生は、奥さまと二人仲良く、順風満帆に暮らせると思っていた。



 ◇◇◇




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