第1話 僕の口の中で動く物は何だ?

「うご、うご。うぐっ、ぐぐぐっ」


 あの時の僕は、自身の口から、声にならない言葉を漏らしてしまった。


 だって僕の口の中に異物が混入……。


 だから僕は直ぐに。


 自身の脳裏でね。


(な、なんだ。これは? この柔らかいものは? 僕の口の中で激しく動き絡んでくる。この柔らかい物は、一体何? 何だぁ? 誰か教えてくれよ~。おねがいだよ~、頼むよ~)と絶叫を上げた記憶がある。


 だってさ、あの時の僕は意識のない状態でいた。


 だって僕は学校帰りに寄った塾──。


 その塾での授業が終わると。


 僕は慌てて、自身の愛車に跨り!


 そう僕の愛車、健太Jr号のペダルを勢いよく蹴り、回して、自宅へと向かった。


「あら~? やっと好い子を見つけたぁ~」


 僕の空耳かもしれないけれど。


 あの時は、何処からともなく。


 女性の声が僕の耳へと聞こえてきた。


 だから僕は、(あれ?)と思った。


 まあ、それでも僕は、自転車のペダルを力強く。


 そう勢い良く、回す行為をやめて立ち止まり。


 僕は辺りをキョロキョロと見渡しながら確認をとることもしない。


 だって僕自身が、あの時は何だか気持ち悪くなり。


 更にペダルを慌てて回し、帰宅の途についていた。


 すると僕の頭上……。


 そう、天空からね。


 雷さまがピカー! と落雷と言う奴をね。


 僕の頭上へと、異世界ファンタジーな物語みたいに。


 本当に冗談のように落ちてきた。


 だから僕の身体はビリビリと痺れ。


「うわぁあああっ!」


 僕は絶叫を上げ。


 その後は意識が遠のいた。


 だから僕は死んだ!


 他界をした!


 多分、冥府へと誘われた? と思っていた。


 でも僕自身がふと気がつき。


 意識が戻ればあの状態だった。


 そう、僕の唇に何かしら柔らかい物が触れて。


 口の中でも何やら柔らかい物が相変わらず。


 右往左往と凶悪に暴れ回っていた。


 だから僕は、自身の口の中で暴れ回っている柔らかい物は、一体何だろう? と。


 やはり不思議に思い。


 自身の首を傾げたから。


 僕はその後、自身の瞼を恐る恐るとではあるけれど。


 開けてみて確認とる。



 ◇◇◇




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