第12話 60万年の因縁 その二

待合室の座り心地の良いソファーに三人が腰をかけてから、15分ほどたった。


ただの待合室であっても、珍しい石像や10メートル四方の絵画が飾られており柱には鷹、象、ヘビなど金細工が施されており、それがこの屋敷の豪華さと、あの可米彼方(カゴメカナタ)の社会的、力の片鱗、その強大さ恐ろしさががありありと感じられた。



流石に15分の待機は暇すぎたのか、木根リオンはその彫刻品、絵画、部屋に飾られた珍しいアンティーク装飾品などを全てスマホに撮影している。 まぁ気持はわかるが、全ての物珍しいものを角度を変えて取る様は、なんとも、おもしろ可笑しく、ノゾミの腹筋を刺激した。


野々原カオリにいたっては自然と腰掛けた椅子から子供のように脚をぶらぶらと振り子運動させながらスマホをいじっていた。


業界内でも著名なカオリは当然スタイルバツグンで脚も当然のように長く、そのために隣でバタバタされると、非常に目につく上、同性であっても、目のやり場に困った。


そして、ノゾミはというと、不思議と暇は感じなかった。 二人の様子を観察してない時、以外は、常にまるでトラウマのように可米彼方の顔を思い出していた。

 

確かに、可米彼方の美貌はで風雅 優美 優艶 此の世の美しさを形容する言葉が全て当てはまるほどの美男子なため、ノゾミでなくとも、一度見たら決して忘れられぬ顔であることは間違えない、しかしノゾミは彼の顔から美貌だけでなく、寧ろ何かしら、おぞましい、強烈な違和感を覚え、それがずっと脳裏に焼き付いていた。


「皆様、大変お待たせいたしました。 客室のベッドメイキングが終わりましたので、ご案内いたします。」


「オジさーん、遅いよ〜マジどんだけ待たせんの? その分いい部屋選んだんでしょね?」


「また、先輩が、調子づいて無礼なこと言ってるの…。」


木根リオンの言葉にカオリが、呆れながらツッコミを入れる、ノゾミは、なにも言わなかったが、(でも、カオリちゃんも調子乗って、勝手に備品使って大変な事になってたじゃん)っとココロの中で考えていた。


「お任せください、最上級のグレードの客室をこちらでご用意させていただきました。」


待合室を出て珍しい観葉植物インテリアが並べられた廊下の突き当りにある黄金のアイアンゲートが特徴的なエレベーターに案内され最上階の、7階に案内された。


暫くやたらと広く長いレッドカーペットの廊下を歩き、半田が奥に連なる3つの扉のうちの一つを開け


「お待たせいたしました。こちらが客室になります」


と私達に宣言した。


客室は色々なインテリアや、アメニティ用具が揃えられており。世界最高級のホテル一室と言われても、誰も疑わないクオリティで、四季原ノゾミと、野々原カオリはそれが何かしら申し訳無さや、別の恐怖から来るものなのか、気が滅入り、二人して目眩を引き起こした。 最も木根リオンだけは「ここ私の部屋〜」っといたった具合で一人だけはしゃいでいたが。

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