第27話
噴水から出来るだけ迂回しつつ、廃墟の街並みを進む事にした
路地を抜けていくが、廃墟の街並みには所々に戦があったのか、木製の粗末な
矢倉や小さな掘っ立て小屋が破壊されており、戦いの名残を感じさせた
さらに路地を進んでいくと道が左右に分かれている
右側に行けば噴水へと、左側は路地が先へと続いており両脇に小さな
家々が 建ち並んでるのが見えた
彼は念のため噴水へと続く路地を進むことにした
少し進むと瓦礫や石が散乱しており、人の気配もモンスターの
気配も全くなかった
ふと空を見上げると、太陽はほぼ真上にまで昇っていた
『ダンジョン』の中なのに、なぜか太陽が真上にまで昇っていた
(いや、本当に『オープンワールド』形ダンジョンって、本当に
不思議空間 だよな・・・)
江崎はそう思いつつ、廃墟の街並みをゆっくりと歩く
時間を確認するために時計を見る事にもした
江崎の左腕には黒い金属製のバンドで固定されている腕時計があった
その文字盤はアナログ式で針も動いており、秒針も動いている
路地をしばらく歩いて行くと、彼の視界に木製の噴水が視えてきた
その付近に武装したオーク達が屯している様子も窺えた
オーク達の姿を見て、彼は違和感を抱いた。
(ありゃ?ドローンの映像ではわからなかったけど、自分が
闘ったオークとは違うよな)
実家の『放置田ダンジョン』内部で闘ったオークは、統一感もなく
防具も武器も統一されていなかった。
しかし、視界の先にいるオークの集団は武装も整っているし防具に
も統一感が見て取れた
さらにその一団の中で頭三つ分飛び抜けているオークらしき姿も見えた。
(こいつはヤバい)
統一されている事に驚きを隠せなかった江崎は、一瞬固まったが彼はゆっくりと
その場を離れる事にした。
元来た路地を引き返すと、左側へと路地を進むことにした
予めドローンで、地平線まで草地が広がっている外に続く門がある方向は
把握していたので、そちらへ向かう
(あの辺りにはモンスターの姿はなかったはずだし、かなり広い草地だから
人影も見当たらなかったから問題ないだろう)
彼はそう考えた。
左右に分かれた路地を進み続けるとやがて一つの大きな通りに出た。
その大通りにはかつては多くの人が行き交った痕跡がある
道の両側に建ち並ぶ建物は崩壊が進み、もともと石造りだったのだろうが、
所々原形を残しながらもコケや蔦で覆われたり倒壊していたりする
建物が多くあった
大通りを進んでいくとそこには石造りで重厚感がある建物が並んでいた。
彼が今いる場所は広場を中心に放射状に通りが伸びており、その中央に
オークの集団が屯している噴水がある
石畳の広場を囲むように石造りの堅牢な壁があり、壁の上の方には幾本もの
尖塔が建っていたり屋根などの凹凸も残っていたりする
(これだけ立派な街並みだとモンスターも住み着くよな・・・
だが、ここの調査はまた今度だ)
そう思いつつ彼は周囲を見渡し、外へ続く門へ向かう
しばらく大きな通りを歩いていると、外側へ続く門が視えてきた
その付近にもモンスターの気配もなく、人影もなかった
門から外へ出るとそこは草地が広がっていた。
見渡す限りの草原で遠くの方には森が見える
(とりあえず、この草むらを進むか・・・目的はこの先だ)
彼はそう思いつつ、ゆっくりと歩を進める
廃墟と化している関所跡近辺をドローンで偵察したところ、気になる場所を
確認していた
それは、廃墟の関所跡からさらに北へ進んだ場所だった
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