第24話
「江崎君が、『ブラッド・クリスマス』が側に平和協定を結ぶのであれば、
日本国内市場に参入する事を提案したのよ
かの団体は裏は反社勢力そのものだけど、表は陽気で明るい北米西海岸最大の
大手企業系探索者『クラン』なの
前々から日本国内の『放置田ダンジョン』を新たな市場として
眼をつけてはいたそうだけど」
新島がそう説明をした。
「日本国内『ダンジョン』は海外と違いレア素材などばドロップはしないが、
内部は広くて階層は浅く、出現モンスターも装備さえ揃っていれば対処可能。
『ブラッド・クリスマス』に取っては、所属探索者の実戦経験を積む
良い訓練場所となる
それに日本側に取っては、『ブラッド・クリスマス』は探索者向けの
リゾートホテルなどを 運営してる事もあり、販売ルートの構築が
比較的容易だという事。
本来ならまあ、そのあたりは我々の考えることではないが・・・
これはまだ社外秘だが、四号『ダンジョン』を付近に、日本にとっては
初の海外本場の探索者専用ホテル建設を予定している
日本政府側も公認での『ブラッド・クリスマス』日本拠点作りだ
日本政府もすでに手野グループ本社や日本国政府・警察機関には根回し済み。
これは日本国内各企業の利益になる」
山田が続けて説明していく
江崎は、状況に困惑するしかなかった・・・
(はぁ?オイオイ・・)
江崎は、それぞれの説明を聞いて心で頭を抱えるしかなかった
内容としては、四号のダンジョンを海外の探索者向けにリゾートホテルと
訓練施設にする 計画だそうだ
「アジアを舞台にこの2つの組織が凄絶な抗争を続けていたら、日本政府が掲げる
『観光立国』も不可能だったし、アジアで活動する企業団体にも
多大な影響がでてた 事は間違いないからねぇ」
廣瀬がタブレット端末を触りながら、そう説明をした
「『ブラッド・クリスマス』に所属する探索者メンバーの中には、海外メディアにも
知名度が知れ渡っている探索者がいるわ。
そしてアジア系探索者クラン『青龍会』は、日本国内の企業と
商取引を結んで商売経営や資金管理などを行っているため、
日本政府とのやり取りもある。
この2つの組織がもしも熾烈な抗争を続けていれば、アジア経済社会に
暗い影を落とし、日本にとっても大打撃となっていたんじゃないかしら」
新島がそう締めくくった。
「そんな2つの組織に、江崎は何かしらデカい『貸し』を売った事だ
今後四号『ダンジョン』使用料と探索者向けリゾートホテルなどの収益の3%を
『ブラッド・クリスマス』が『手野グループ』に納める事になる」
佐藤が続けてそう締めくくった。
しばしの間、会議室内は静寂に包まれた
「よくそんなことを呑みましたね」
塩顔整っている黒髪のオールバックの男性が、静かな声でそう言った
男性の言葉はそれだけだったが、その場の全員も同じ気持ちだ
それ程に非常識なのだ。
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