第5話
長平からは、廉頗将軍が来てくれた。砦の守備隊も残してある。秦軍につけ入る隙を与えない。
魏国からは、信陵君だ。
楚国の春申君は……、来ないんかな?
楚国とは、まだ同盟を組んでいないらしい。
だけど、戦力差は10倍くらいになったかな~。三方向から白起の陣を牽制する。
流石に白起といえど、不利を悟ったらしい。一戦もせずに撤退してくれた。
とりあえず、信陵君に挨拶に行く。
「助かったとよ~。あんがとね~」
固い握手を交わす。
「また来ると思います。兵は解かないでおいてください」
信陵君は、了承してくれた。
夜になった。
李同将軍と廉頗将軍との3人で、今後を話し合う。
「白起を倒さないと、今の状況ってどうにもなんないんじゃないんですか?」
「そう簡単に言うな。数倍の兵力差でも互角だったんだぞ」
「一度、邯鄲に戻りませんか? 平原君とも話したいです」
「うむ。上党と長平に兵を残しておけば、時間は稼げるだろう。李同将軍頼む」
「承知」
いいアイディアが出なかったな~。
その後、一人になって考える。
「……計略でも仕掛けてみるか?」
密偵を放って、白起の悪い噂を流す。
離間の計、そのまんまだな。
この数年、秦国は国土を広げられていない。それと、白起と宰相の
そこにつけ込む。
◇
一年が過ぎた。
白起が出て来ることはなくなった。
「マジで、白起と范雎は、仲が悪いんだな~」
秦軍は、
その間に、韓・魏・趙・楚で同盟を行う。
燕国が攻めて来ているけど、防衛はできている。龐煖将軍がいるし、大丈夫だろう。ちなみに、この人も爺だ。
斉国は、沈黙している。昔は、中華の半分まで獲った国だけど、合従軍を起こされて、
趙国は、兵士はいるので、補給さえ続けば攻め込まれても問題ない。兵士を率いる将がいないので、攻めることはできないけど。
「趙国って、若い人材がいないんだよな~」
父の代は、李牧と廉頗、藺相如、龐煖とかいたんだけど、次世代が育たなかったんだな~。もしくは、死亡してるか。
李牧が暗殺されると、趙国はあっさりと滅亡するんだし。
あ~、そうだ。司馬尚がいたけど、活躍するのは僅かな期間なんだよな。
慶舎もだ。歴史書に二行の人なんだよね。
「マジに趙括が、最後の希望だったのかもしれないな~」
秦国は、これから若い人材が育って行く。
その差なのかもしれない。
「後、王様だよね……」
廉頗将軍が、嫌っている王族をどうにかしないといけないな~。
俺としては、始皇帝は好きじゃないんだけど、このままでは統一される歴史は変わらないと思う。
何とか防ぎたい。
「良し! 始皇帝君に会いに行こう」
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