第7話同時廃止

「再起を掛けた神戸地裁」

「今から名前を呼ぶ人は地方裁判所へ入室してください。大原輝(おおはらあきら)さん・・・。」

百人くらい呼ばれた中で大原は8番目に呼ばれた。見渡す限り誰一人福よかなぽっちゃりした人は居なかった。

「俺と同じ境遇か・・・。」人それぞれどんなドラマを背負って此処へ来たんだろう?考える余裕さえ持てる!普通になった。イヤ!教会の長椅子とは少し違う祝福しない冷たい木製の長い椅子には愛想のない座り心地だったが、司法という名のディフェンスに抱かれる。という揺り篭の様な安心感が冷えた無機質な、慚愧の念、心機一転、転ばぬ先の杖、一寸先は闇。色々なジャンルの格言が湯水の如く沸いて出た。

「破産同時廃止が認定されました。」

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