第2話社員が愛人

「おい大原、事務員が見付かったぞ!?俺の彼女に来て貰うわ!給料は25万円な!」

共同経営は、始めた時から失敗していた。

幽楽人(かすかがくと)は細やかなビジョンさえも持ち合わせて居なかった。

当時の法人立ち上げの資本金は有限会社300万円 、株式会社1000万円と、決まっていた。

「個人商店でチマチマ遣らんと会社を立ち上げてドドーン!と遣ろうや!」こうして二人は勤務先に出入りしている銀行に300万円を借り入れ有限会社の登記を実行して、大原輝(おおはらあきら)が、社長に、幽楽人(かすかがくと)が専務に納まった。資本金を用意するのに借り入れ金を使う短絡的思考では始めの一第歩がレールを外れていた。

しかも従業員に己の愛人を宛がうというかなりデンジャラスな経営方法だった。

業種はインターネットプロバイダ。

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