第3話甘い共同経営

共同経営は、始めた時から失敗していた。

幽楽人(かすかがくと)は細やかなビジョンさえも持ち合わせて居なかった。

当時の法人立ち上げの資本金は有限会社300万円 、株式会社1000万円と、決まっていた。

「個人商店でチマチマ遣らんと会社を立ち上げてドドーン!と遣ろうや!」こうして二人は勤務先に出入りしている銀行に300万円を借り入れ有限会社の登記を実行して、大原輝(おおはらあきら)が、社長に、幽楽人(かすかがくと)が専務に納まった。資本金を用意するのに借り入れ金を使う短絡的思考では始めの一第歩がレールを外れていた。

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