第5話 高速道路って、どうなっている?
ここはお金が存在しない世界。良いことをした分、報酬として翌日の時間の長さが増える世界。
『何気ない会話が聴こえる場所は、この世界のことを知るためは有難い。』
駅、学校の周辺、ファーストフード店では、遅れる、間に合わない、待ち合わせ、などの場面で時間に関わる話題が多く、それらの会話にカイトは聴き耳を立てて情報を入手していた。
『全体の人、物の流れって、お金のある世界と違ったりするのかな?』
そう思い、カイトは広くみれる見晴らしの良い高台から眺めることにした。この場所からは、駅の人の出入り、道路の混雑、電車の発着、遠目ながら、流れが見える。
『そういえば高速道路の入口ってどうなっている?ETC、料金所、何らかのゲートが付き物だが…』
『あっ、ゲートらしいものは何もない。普通の道路と何も変わらない!』
『早く移動出来る、そのために用意された道を使う贅沢の分、良いことや役に立つことをしないと翌日の自分の時間が短くなるのか…。急がないならあえて使わない人もいそうだな。』
『それは、お金がある世界も同じか。』
『電車と同じで移動すること、その過程や道中自体のメリットって、どんなことがあるんだろう?』
『高速道路って、無料の箇所はお金が存在する世界でもある。値段が高い、安いもあり、安全に移動するために費用が必要な部分もある。』
『移動って難しいな。その速さ、快適さに違いがあってかかる費用と、通る土地自体の価値なんかも加わってそう…』
高台で風を感じながらカイトは、風も移動してくるものだよなと、動きのあるものを気にしはじめていた。
本編
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