第11話 とりまゲーセンに行きましょう
ストーカーを突き止めることに決めた俺達は、いつでも連絡出来るようにL◯NEを交換することにした。
ついでに3人のグループを作る予定。
「———これが私のL◯NEのアカウントてす」
「あ、はい」
俺は緊張しながら『芽衣』と書いてあるアカウントと友だちになる。
そしてトーク画面を開くと———
《芽衣:よろしくお願いします!》
《芽衣:(服にめいと書かれた女の子が『お願いします』と敬礼しているスタンプ)》
と、尊い……!
何と可愛らしいのだ……!
柚も可愛い猫のスタンプ使うが、姫野芽衣はまさかの自分の名前が入った女の子のスタンプ。
普通に可愛い。
俺も取り敢えず『よろしくお願いします』と文章を打って柚に薦められた猫のスタンプを送る。
「あ、ちゃんと友だちになれてました!」
「う、うん、俺も問題ないぞ」
「私の問題に巻き込むのみならず、解決のお手伝いをして下さりありがとうございます!」
「いえいえ此方こそ貴重過ぎるモノをくださりありがとうございます。家宝にします」
柚もそうだが、姫野芽衣のL◯NEのアカウントは想像以上に価値のあるモノだ。
2人のアカウントを15万円という法外な値段でも買うという奴が必ずいる程に。
この前噂になったのでは、姫野芽衣に『50万やるからL◯NE教えてくれ!』と言って断られた男子生徒がいるらしい。
まぁ姫野芽衣は断ったらしいのだが……それを考えれば如何に彼女達のアカウントが貴重かが分かるだろう。
「……??」
「ん、あまり気にしないでいい。えーたは偶におかしい」
「姶良にだけは言われたくないわ。———ってそうじゃなくて! 俺達で見つけ出すって言ったけどどうやって探す?」
「ん、名案あり」
妙に自信満々に言い切った柚。
その姿に一抹の不安を覚えながらも取り敢えず他に案もないので実行することにした。
「……柚よ、1つ訊いてもいいか?」
「ん、よき」
「———ただ単にゲーセン行きたかっただけだろ!?」
と言うことで、俺、柚、姫野芽衣の3人と言う明らかに目立つメンツでやって来ましたゲーセン。
同時に俺のメンタル既にズタボロです。
「ねぇ……アレって……」
もうね、視線が凄いですわ。
2人の超絶美少女にそこそこ程度の男子なんて目立つに決まってるじゃん。
側から見れば完全に2人の美少女を侍らせている屑野郎だから嫉妬と侮蔑の嵐ですよ。
「……俺、視線に殺されそう……」
「ん、大丈夫。皆、暇じゃない」
「おい、もしかしなくても俺程度に割く時間はないと言っているのか!?」
「ん」
「『ん』じゃないよ! 幾ら事実で安心するとは言え普通に傷付くんだけど!?」
「あ、あの……」
俺と柚が言い合いしていると、姫野芽衣が遠慮がちに声を上げた。
「ん、どうした?」
「どうして此処に来たのですか……?」
「そうだそうだ! 俺的にはどうせゲームしたかっただけだと思うけどな」
「チッチッチッ。えーたは浅慮」
これ見よがしにため息を吐く柚。
柚は、一々俺を貶さないと話せないのだろうか?
「ストーカーの対象は、えーたとめい。えーたとめいが、遊びに行けば、絶対に来る」
「確かに……ですが、流石にバレない様にしているはずですよ?」
「ん、めいが、えーたと楽しく遊べば、ストーカーは怒る」
「……おい、何となくやりたい事が分かったぞ。俺、結局危険な目に遭うよな!?」
「ん、そこは、我慢」
はい、俺の恐怖体験確定ありがとうございまーす。
俺が一体何を……2人に告白したことですね、間違いなく俺が悪いですねはい。
俺が軽く絶望している傍ら、柚は再び説明を続ける。
「私達は、途中でえーたと離れる」
「離れる、ですか……?」
「ん。1人のえーたにストーカーは近付くはず」
「は、はぁ……で、ですが、それでは佐々木君が危ないじゃないですか!」
「ん、大丈夫。えーたは強い」
「は?」
お前、俺の何を知ってんだよ。
と言うかそんな杜撰な作戦でストーカーがやってくるわけ———
「———め、芽衣ちゃんに近付くな……!」
1時間後、俺は知らん男に包丁を向けられて脅されていた。
…………来たよ、ストーカー。
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約束通り2話目投稿。
☆☆☆とフォロー本当に宜しくお願いします!
人気が出れば1日2話上がるかも。
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