第2話「はぁ、それじゃ何かチートスキルとかちょうだいよ」「貴方の場合チートスキルはなしね」

 「はぁ、それじゃ何かチートスキルとかちょうだいよ」

 あぁ、これだめだ。これ以上ごねてもまったく意味ないどころか時間切れって言われてチートスキルもないまま異世界転生だ。

だってこのエロコスレイヤーババァ仕事でやってるんだもん。ごねて時間無駄に使っても時間切れになって何も持たないまま異世界転生してしまう。

とりあえずチートスキルだ。異世界転生といえばチートスキル。

 「貴方の場合チートスキルはなしね」

 まじかぁ。チートスキルなしかぁ。これごねてもたぶんだめ。ならチートスキルとまではいかなくても何か高ランクスキルでもステータスボーナスでも何か。

 「うん。分かった。チートスキルはなしでいいから、何か高ランクのスキルとかステータスボーナスとかもうなんでもいいから何かちょうだいよ」

 この女神っぽいだけの雇われ労働者は俺が特例というわけでなく、転生者全員に普段からこんな事をやっているんだろう。

時間をかければ次の転生者来てるからとか休憩時間だとか本日の業務終了まで一時間前でこれから書類書いて片づけて着替えるからもうおしまい。はい、このまま異世界転生ねって言われて本当に何もないまま異世界転生させられてしまいかねない。

だめなものはだめと見切りをつけて少しでも何か持って異世界転生にこぎつけよう。

 「あのね、私に言ってもだめだから。そういうの。私は書類通りに異世界転生へのゲートに異世界転生者を通す案内をする女神っぽいコスプレした受付嬢だから。

私が貴方にチートスキルとかそういうの経験値もDランクスキルも何一つつけてあげられないの。全部始めから決まっていて私は一応書類貰ってるだけ。

この書類だって貰った所で、私には何も変えられないんだしぃ。説明するだけだし説明するのも面倒くさいしぃ、なんで私が一々転生者に説明しないといけないのかしらぁ。無駄な仕事よねぇ。さっさと廃止して欲しいわ異世界転生者への説明なんて。

あ、この貴方の転生前転生後の資料裏紙使ってないわね。はぁ、まったく。むかつくわねぇ。私いっつも裏紙使えって言ってるのよぉ。

体裁だとか個人情報だとか人件費がどうとかコピー機詰まって修理しなきゃいけないから仕事遅れるし修理費用も人件費残業代も余計にかかるから裏紙なんて使わないなんていってくるのよ。はぁ?って思わない?ねぇ貴方もそう思うわよね。

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