最終話 復讐
「おい、始めていいぞ。」
そう大和が言うと、優希がカメラを回し始めた。
「お前がやったように俺たちもSNSで拡散してやるからな。」
「お前は嘘でこっちは本当だけどね。」
そう言うことか全てわかった。
「いつから騙していたんだ?」
「お前が相談してきた時からに決まってるだろ。」
「は?」
「一年以上だよ。」
「きもお前ら。」
そうやって俺が言うと爆笑の渦が巻き起こった。
「そのままお返しします。」
颯太が笑いながらそう言う。俺は腹が立って部屋を出て行こうとした。しかし。
「ドア開いてるなんて思うなよ。」
「早く座れよ。」
そんな感じのみんなが許せなくて。殴りかかろうとした。でも、
「やめた方がいいんじゃない?カメラ回ってるよ?」
悔しかったが辞める事にした。
「さて、なんでお前がここに呼ばれたかわかるよな。」
「はあ?」
「この動画を見ている皆さんここまでどんなことがあったのか全て説明します。長くなるかもしれませんがご了承ください。」
そういうと大和はここまでの経緯を全て話した。俺がSNSで叩いていた事や今日の事など。全てを細かく説明していた。
「何がしたい。」
俺はそれがわからなくて聞いた。
「当たり前だろ。お前がこれから生きづらくなればそれでいい。」
「SNSでやられたからSNSでやり返す。これがお前に対する最大の復讐だと思ったからな。」
「いいか全部教えてやる。お前が始めて俺に相談してきた時ここまで根の腐った人間はいないと思った。だからどうするべきかこいつらに相談したんだ。」
「それでお前をしばらく泳がせたらどうなるのかなって思ったんだよね。」
「そう。案の定調子に乗り始めた。最初は騙されてるとも知らずにこんなに調子に乗っているやつを見て馬鹿だなって思って笑ってた。」
大和が泣き始めた。
「だんだん腹が立ってきて。2人以外にも攻撃し出した頃にもう限界だと思ってこの計画を立てた。」
「2人はなんで死んでないの?ならなんで学校にこないの?」
「それが気になるのか。」
クルミが近づいてきてこう言った。
「私たち東京にデートに行った時にスカウトされたの。2人で。事務所に入る事になって、転校する事になったからあなたの学校に行く必要がなくなっただけ。」
言葉が出てこなかった。
「お前に最後一つだけ言わせて。」
幸希が近づいてきてこう言った。
「何があっても信頼し合えて、愛し合える友達とか恋人を見つけた方がいいよ。」
みんなはそれだけ言って外に出て行った。
俺はなぜこんなことをしてしまったのだろうか。
後悔だけが残る。
俺の目から大量の涙が流れて俺はこう呟いた。
「俺って惨めだな…」
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