第6話 仮面
収集がつかなくなった。もう終わった。このまま投票になったらどうするんだよ。でもこの感じ颯太はスパイじゃなさそうだ。感情にまかせて言ってしまったがもうしわけないな。室内はずっと混乱している。誰もこれを止めない。時間だけが過ぎていった。
「時間よ。投票の時間。早く決めて。」
もう終わりだ。
「もうだめだ。自分が怪しいと思った人に投票しよう。」
大和の提案にもう反抗する人は現れなかった。いや全員が諦めていた。
紙が配られそこに自分の怪しい人を書き込む。俺は投票して影響のなさそうな華奈に投票した。
開票の時間になった。
「今回つられるのは。。。」
仮面の女は笑いながら言う。
「お前だ。」
仮面の女が指を指した先は颯太だった。
「俺じゃないから。おい違うって。」
「最後に言い残したことはなにかな?」
「俺じゃないから。信じてくれ。」
仮面の女が颯太に銃口を向ける。
「待ってくれ。おい。まって。」
「さよなら。」
銃声が鳴り響いた。
颯太が撃たれた瞬間俺は目を瞑っていた。目を開けるとそこには返り血を浴びて笑いながら立っている仮面の女がいた。恐怖を覚えた。さっきもそうだった。ずっと笑っている。背筋に寒気を感じると同時に酷く後悔した。なぜなら自分も颯太と同じくこの女に見覚えがあったからだ。なぜ颯太を犯人にしてしまったのか。非常に後悔した。
「全員席につきなさい。」
「はあ?なんで。」
「夜のターンよ。」
「詳しく説明をしてくれ。」
「はあ。夜のターンではスパイが人を1人殺す。恨みの強い人から。」
「恨み?」
「君たちまだわからないの?なぜ集められたか。私が誰だか。」
その瞬間俺は立ち上がった。俺の考えが確信に変わった。
「お前、、。」
その次の言葉は出てこなくなった。そして膝から崩れ落ちた。全員がこの瞬間理解した。全員に緊張が走った。
「お前は佐野クルミだろ。」
優希が言う。そして女は仮面に手をかけ仮面を外した。
佐野クルミだった。
「お前たちを許さない!絶対に絶対に許さない。」
俺たちは言葉が出なかった。
「わかっているよね。どうなるか。これが最後のチャンスだよ。」
俺たちはぐっとクルミ見つめる。
「ようこそ。生きるか死ぬかのデスゲームに。」
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