第二十六章 ⑤神々の願い(ウィッシュカムトゥルー)
凛花はイレーズの腕の中。すっぽりと包み込まれて抱きしめられている。
イレーズは
「皆っ! よく聞けっ! 今より『龍使い凛花』は、極等万能祭司・イレーズの婚約者だっ! ……俺のっ! 婚約者だああっ!」
ううおおおおおおおおおお…………っ!
天地が鳴動した。大歓声が沸き起こってどよめいた。
「めでたい。実にめでたい。見てくれっ、イレーズの嬉しそうな顔をっ……! あの無邪気な笑顔をっ……」
「ああ、まさしく
「うむっ、それはまちがいないっ。そうして
「そして時には、時空を超えた出会いまでも…………」
「ふははっ! まったく、そのとおりだっ」
「ああ、
「ええ! 極大なる
「あれ? なんで涙が?
泣くのなど
「
神々は
……カリスマ神霊獣使いイレーズは
飛びぬけた天才ゆえに
神々は
……終わることのない『未來の時間軸』をたったひとりで突き進むのか。
冷たい心に支配されたまま、聖なる『
愛という感情を知らぬまま『無限の
神々は
……イレーズの冷え切った心に優しい光が差し込みますように……
いつか屈託ない無邪気な笑顔が見られますように………………
そうして本年本日、神々の大願は成就された。
大地には季節外れの花々が咲き
大空には
ふたりの未來を
「ワァォオオオオオーーーーンッ!」
どこからか、
「よかったな、イレーズ、ぐずん……。よかったな、凛花、ぐずん……。おいら嬉しいよっ! 嬉しくてたまらないよっ! ワァォオオオオーーーーーーンッッ」
ノアは嬉し涙を
「凛花っ! イレーズッ! 初恋成就ねっ! 婚約、おめでとうっ」
凛花は涙が止まらない。
「うんっ、うんっ! ノア、コン太……、みんな……! ありがとうっ、ありがと……。ううっ……」
イレーズは礼を伝える。
「コン太、ノア。俺たちのディスティニー(
龍神カップルは思わず
「ええっ? ありがとうって……? イレーズが……? うそっ……、でしょ?」
「ううッ……、うううううッ……! イレーズゥゥゥッ! そんなそんなそんなっ! おいら感激だよっ! 嬉しいよっ! ワァォオオオオーーーーーーンッ」
スッ……! イレーズが右手を高く
シュンッ…………。
高き場所から龍神が
凛花は瞳を輝かす。イレーズが紹介する。
「極等万能祭司専属神霊獣『
「はっ、はじめまして! 凛花と申します。よろしくお願いいたしますっ」
……わあっ! なんて
ジィィッ……! ラン丸は食い入るように凛花を見つめていた。その数秒後、スルリと
「うっ、うわあっ! なんて可愛いのっ」
凛花は嬉しくなる。ラン丸の
イレーズは愉快気に笑う。
「クククッ! ラン丸ってさ、実はかなり気難しいんだよ? だけどすでにイチコロ……、みたいだね?」
凛花はすっかり懐いたラン丸を
「あの? 八大万能龍神は『セレクション(
「ん? そうだよ。だから『
「うっ、うわあっ! 嬉しいっ……」
「基本的に龍神は人間の時間軸に例えると七年ごとにひとつ
「そうなのですね! 龍神たちと長い時間幅で過ごせるのはとても嬉しいです。それに大好きなノアとコン太と永遠に親友でいられるなんて……。幸せ過ぎて夢みたいっ」
「うーん……、そうだね? 大切な仲間がたくさん居るのはいいことだね? だけど『一番』はできれば俺にしてほしいけど、ね?」
凛花は断言する。
「そんなの、当たり前っ、です! 私にとってイレーズさんは
「そ? それじゃあ……、俺と同じだね?」
ふたりは笑いあった。
ピカアアァァッッ!
キラリッ! ピカッピカッピカッ! キラッ、ピカピカッ……、ピカァァッ!
ひらり……! ひらひらひら、ひらり、ひらひらひらひら……、ドッバーンッ!
ピュウウウゥーッ! ビュウウウゥッ……! パンパーンッ! ドッカーンッ!
……んんん? これは一体、何ごとだ?
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