第二十六章 ④極上縁(デスティニー)
出雲大社・
「凛花っ、ちょっと……、こっちに来て?」
「はいっ」
イレーズに呼ばれて
グンッ……、そのまま数メートル
シン………………、結界上は水を打ったように静まり返った。神々は
雲の上。ふたりは向き合って見つめ合う。イレーズは静かに言葉を発する。
「あの、さ。まだだいぶ先の話だけど、凛花が
「え…………?」
「
「…………」
凛花は目を見開いたまま固まった。息するのも忘れてフリーズしている。
苦しくなって慌てて呼吸をしたのは二分後だった。
告げられた一語一句を
けれど思考が追いつかない。
「えっと? これってまさか(プロポーズ)……? ……? 違うかな? あ、夢かも? 未來の時間軸? 無限の
首を傾げて
イレーズが解説する。
「未來王がおわす『
「神々にも
「そこはジャッジ、かな。とはいえ、
「アメージングキャスト(驚異的四人衆)なのですね! 選抜はかなり
「うーん……、たぶん?
「わあ……(厳しそう)」
「ちなみにさ。
「なるほど。数少ないとはいえ、その特権を与えられる人もいるのですね」
「……。だから、その、つまりさ。
「……!」
凛花はようやく理解した。けれど再び考え込む。困り顔で問いかけた。
「あのっ? 死出の旅路ってことは、お迎えに来てくださるころには、おそらく私はお
イレーズはくすりと笑う。
「ああ、そんなの気にしなくていいよ? きっとお
「そっ、そういう問題ではありませんっ」
プクリ、頬を
「ククッ、まあそこは心配無用だよ?
「あ……、そうなの、ですか……?」
「だからさ、どうかな? もしも俺とのバランスが気になるなら、人間界でデートするときには
凛花は必死に考える。
……どうしよう。未知なる世界観に圧倒されてしまう。彼は未來王の四大弟子・極等万能祭司のひとりだ。そのうえ
イレーズの
凛花は
「正直、とても嬉しくて天にも昇る心地です。ですが、それ以上に戸惑っています」
「
「イレーズさんがあまりに素敵すぎるのです。もしかしたらこの恋は夢なのかも知れない。いつか
「
「今以上の奇跡を想定したことがなくて……。だからどうしたらいいのか……」
「うーん……、そんなに難しいのかな? そもそも俺は永遠にひとりでいいと思っていた。
「は、い……」
「想い
「…………」
「俺はさ、結構単純だよ? 愛する人とずっと一緒にいたい。たったひとりを
ぶわっ! 凛花の瞳から涙があふれ出た。
凛花は問いかける。
「もしも『イエス』とお応えしたら、私にも
「うん。そうだよ」
「長い長い無限の
「うん。もちろん」
「……。愛する人と無限の
「俺はさ、君の存在自体に真価を見出している。すべてに好感を
「わ、私は……っ! 今日が、待ち遠しかった。イレーズさんの声が聞きたくて、笑顔が見たくて、会いたくてっ! 日々に想いが
イレーズは改まって告げる。
「俺の
凛花は即座に
「はいっ! プロ―ポーズ、
イレーズは小首を
「もう
「イレーズさんこそっ! もう撤回できませんよ?」
「ククッ、もちろん。……いつか
「私もあなただけを永遠に愛し続けます。
「うん。共に分かち合って、ずっと仲良しでいようね?」
凛花は泣きじゃくる。
「ううっ、うううっ……。どうしよう……、嬉しいっ! 出雲の
「ほんとにね? ずーっと、大好きだよ」
「私だって! ずーーっと、大好きですっ」
凛花の
「……オーケー?」
「はいっ、オーケーですっ」
チュッ……
イレーズは凛花の唇にキスをした。
この瞬間。『
「あっ、あのっ! イレーズさんっ」
「ん?」
イレーズが腰をかがめて
チュッ!
凛花からキスをされたイレーズは驚きに目を
「ああ……、困ったな……。すでに死んでいるのに、嬉しくて死にそうだよ……」
「私も、幸せすぎて死んじゃいそうです」
「あ、それはダメだよ。俺が迎えに行くまでは死なないで?」
「ふふっ、はいっ! 長生きして龍使いの任務を
「ククッ、そうだね。……いい子だ」
「大好き、です…………」
イレーズは微笑む。凛花を包み込んで抱きしめた。そして耳元にそっと
「マイディアー、マイラブ……」
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