第二十六章 ③邂逅(エンカウンター)
稲佐の浜・結界上。
「あっ、そういえば! 今日は『八大万能龍神』が集結するのですよね?」
「ん。あとで紹介してあげるよ」
「わあっ、嬉しいです」
「じゃあ、そろそろみんなのところにに向かおうか?」
稲佐の浜からワープして第二鳥居(
まずは
そこにはすでに多くの龍神と各地の神々が集結していた。まず、ふたりを迎えてくれたのは
凛花は深々と頭を下げる。そして満面の
「
「おおっ、凛花よ!
「はいっ。今年もこうして燦紋さまに
燦紋の妻『
「あらっ! 凛花はイレーズとデート中でおられたのですね? 仲良しですわねっ」
燦紋の息子『
「おやおや? イレーズ大好きっ、久々に会えて嬉しい! ……って。顔に書いてあるよ? ほらほらっ、凛花の頬っぺたに!」
「ええっ、うそっ? ホントに? 顔に書いてある? 雷紋には見えちゃっているの? わわっ、どうしようっ」
凛花は両手で顔を
「……プッ! アハハッ! 冗談だよ、冗談っ! まったく可愛いなあ……。それにしても
そこへ
「こらっ、
「そうよっ、私たちにとって凛花は娘のようなもの。ノアの妹で遊ばないでちょうだい」
凛花はふたりに駆け寄ってハグをする。
「わあ、トールパパ! ミュウズママ! 今年もノアと一緒に来てしまいました」
「ははっ! 可愛い凛花。いつも
「凛花は龍神界の宝。そして家族よ……」
「私はノアに助けられて、今こうして生きています。そしてノアに導かれて、優しい龍神たちと家族になれました。こちらこそありがとうございますっ」
トールとミュウズは目を細める。凛花をそっと抱きしめた。
そこへ低い声が響きわたる。
「おーーいっ! 凛花アァっ! おーーいっ」
ぐるり、六体の龍神に取り囲まれた。それは富士の『
凛花は瞳を輝かす。
「わあ! モトロン、サイロン、ショウロン、カワロン、ヤマロン! それと……。ああっ、もしかして!
「はいっ、正解です! 『
「わあっ、
「……(
「本当に? やったあ! 近いうちに
ソワソワッ! ウズウズッ! もう一秒たりとも待ちきれないっ!
「凛花アっ! 久しぶり」
「凛花アァ! 会いたかったよ」
「凛花っ、凛花っ、凛花ァァっ!」
凛花は五体の
「
乱波の妻龍神が盛り上がる。
「凛花っ、久しぶりねっ」
「元気そうで良かったわ」
「なんだか綺麗になったわねっ」
「それは恋をしたからよねっ」
「イレーズが優しくなったわ。ありがとう」
凛花はニコニコする。
「また所沢にいらしてくださいねっ。寒くなってきたから鍋パーティがいいかなあ」
「うんうんっ! いいね、いいねっ! 鍋パーティだっ! すきやき? ほうとう鍋? みかん鍋?」
「ふふ。じゃあ次は、
「よおしっ、決まりだな! 楽しみだ! がははははっ!」
そこへノアとコン太が合流した。凛花は大好きな龍神たちに囲まれて笑顔がはじける。
そんな凛花を横目にミュウズとユウイは
「まあ、凛花ったら……。相変わらずの龍たらしねっ」
「本当に……。なんて純真で
「それにしても雷紋は、いつも凛花を
「ええ、冷やかしも度が過ぎてはいけませんわね。
「あっ、ほらほら見て? 雷紋ったら、もう
「……そうですわね…………」
「あら? ユウイは嬉しくないの? 雷紋は龍神界繁栄(子孫繁栄)の役割を
「ええ。本来は
「
「雷紋は王家の
「まさに雷紋は『大黒様』……。モノアモリー(一途)なコン太とは対照的よね」
「幼き日を思い起こせば。雷紋の初恋はノアでした。ですが王家の
「……。今でもノアを想っているのかしら?」
「さあ、どうでしょうか? ですがノアに向ける
「そう……。いつの日か雷紋に『
「ええ。
「親なんて子供に対してはエゴの
「ほんとうに……。それにしても今日はソワソワして落ち着かない心地ですわね?」
「そうね! ノアとコン太も朝から興奮していたわ。私もワクワクしているの」
ミュウズとユウイは
一方。カリスマ神霊獣使いイレーズの前には行列ができていた。
以前のイレーズであれば不機嫌顔をして完全無視だった。しかし今は違う。神々の
神々はその
「のう、トール。なんだか今日は、特別に
「はは、
「ふはっ、ふはははっ!
「ああ、確かに。こっちまで緊張が伝わってくるよ…………」
神在月の
『カミハカリの演算』が
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