第二十四章 ⑤プンスカ・ニンマリ
所沢市・
コン太は
「あーあっ! おいら完全に
ノアは笑いながら
「ねえ……? もうそろそろ気が済んだ? コン太の想いはミュウズもユウイも
凛花は眉をハの字に下げる。
「コン太、ごめんなさい。私のためにたくさん飛び回って、ずいぶん前から動いてくれていたって、聞かせてもらったよ?」
コン太はすかさず質問を返す。
「聞かせてもらった、って。誰にさ?」
「えっ? えっと……っ」
凛花が
「むうううっ! イレーズの奴めえっ! そうかっ、あいつが協力していたから凛花のサブコンシャス(潜在意識)にノイズ(雑音)が入って透視できなかったってわけか! ……んん? だけど、うーむ……。イレーズはおいらと同様にレンジを殺したいほど憎んでいいはずだよな? それなのになんで『
凛花は答える。
「イレーズさんも本音は少しだけ
「ふーん……。あの、イレーズが、ねえ?」
「私ね、コン太の気持ちがとっても嬉しかった。レンジさんが
「ちぇっ! 結局、極等万能祭司には
「うんっ! とっても優しいの……」
コン太とノアはニンマリして顔を見合わせる。赤面する凛花が可愛くてたまらない。
「次はいつ会えるんだい? 次の
「遠くて簡単に会えないから寂しいでしょう? そんな時はどうしているの?」
「おいらにはわかるよ! 離れていても会話ができるように
「あっ、そういえば!
「へええ? なるほどねえ? きっと感応デート中ってわけだねえ? いいねえ!」
「次に会うのが待ち遠しいでしょう?」
「イレーズに会いたいかい?」
凛花は即答する。
「うんっ! 今すぐにでも会いたいよっ」
そしてそのまま問いかける。
「あのね、ちょっとだけ気になっていたんだけど……。コン太は本当に『制裁』をしたかったの? もしかしたらレンジさんの心が変わって
「…………。なんでそう思うんだい?」
「だって! コン太が輝章さんに書かせた『リレーション・
コン太は
「イヒヒッ! 果たしてそれはどうだろうねえ? 過ぎてしまえば真相は分からない。後からなら、都合がいいように何とでも言い訳できてしまうからねえ?」
「……。そっか」
「まあだけど、間違いない事実がある! それはさ、龍神たちはみんな『龍使い凛花』のことが大好きってことさ! そして『ハッピーエンド』が大好きなのさ!」
凛花は笑顔になる。
「うんっ! 私も大好きっ!」
「私も大好きよ!」
「おいらだって!」
最強コンビは、むぎゅうっ! 友情の
……ストンッ!
「…………? なにやってるの? もしかして、おしくらまんじゅう?」
三人は一瞬だけ呼吸が停止した。そしてシンクロして叫んだ。
「え? ええっ? イッ、イッ……! イレーズッ(さん)!」
コン太は青ざめて慌てふためく。
「うっ、うわあああっ! あわわわわっ! もしやもしやっ! 勝手な行動したおいらに未來王が怒っているのかい? おいら、これからイレーズにお仕置きされてしまうってことなのかい? つまり今日が、おいらの『命日』ってことなのかい?」
ノアは焦って取り乱す。
「イレーズ、やめてっ! コン太は凛花のことを大切に想っているの! だから少しだけ暴走しちゃっただけなの! もしもお仕置きするならお
「…………(無言)」
いつもは
「ねえ、イレーズ……ッ! コン太を殺さないで? コン太がいなくなるなんて、そんなの耐えられないっ……! 私からコン太を
凛花も涙ながらに
「イレーズさんっ、私からもお願いします! どうかコン太を許してあげてくださいっ! もともとの原因は私にあります! だから、お仕置きするなら私だけを……っ」
イレーズは
「あの、さ……。この間、横浜で『今度遊びに来て』って、言われたからさ……。だから来たんだけど? 迷惑だった?」
「……? わわあっ、そうでしたか! もちろん大歓迎ですっ! 嬉しいです」
凛花はぱあっと笑顔になった。
「ん。お邪魔、します?」
ノアは
「じゃあさあ! これから四人でタコパ(たこ焼きパーティー)やろうよ! おいら今すぐ角上魚類・所沢店に行ってタコ、買ってくるからさ」
「あら、いいわねっ! イレーズがたこ焼き食べている姿……、見てみたいわあ」
タコパが始まる。
イレーズは
「たこ焼き、ってさ。この
「そうです! はい、どうぞ」
「……。
「いっぱい食べてくださいね! あ、そうだ! 今度『カフェ・豆うさぎ』に行きませんか? 先週ノアと食事に行ったんですけど『そば粉ガレット』がとってもおいしかったの」
「へえ? 近くなの?」
「はい! 歩いてすぐです。デザートもおいしいの!」
「ククッ……。じゃあ次は、ガレットとデザート、だね?」
「はいっ」
ノアとコン太は嬉しくてたまらない。
「ねえ見て? 凛花の顔……。幸せそうね」
「おいらも驚きだよ! あのイレーズがニッコニコの
「うふふ。なんだか見ているこっちまで幸せな気分になるわね」
「おいらも幸せだよ! ノアがどれだけおいらのことを……、ってさ。……うへへっ! 思い出すだけで嬉しくって泣きそうだよ!」
「あら? 私、何か言ったかしら?」
「イヒヒッ! どうやら
スマホに速報ニュースが流れた。
おしどり夫妻と称されていたレンジとサユミの離婚が報じられていた。
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