第二十四章 ③審判(結論・コンクリュージョン)
映画館・ステージ上。
……ああ、愛しい
思い切って
ガシッ、
「やめときなよ」
誰かに腕を
「あ、あの……? 誰、ですか……?」
背後に
「あのさ……。
「え? はい。……あなたは、一体?」
「ああ、俺? 俺は凛花の恋人だけど?」
「えっ? こい、び、と? 凛花さんの?」
「そ。だから要するに。あんたの運命の相手は凛花じゃない、ってこと」
「あ、あ……。そう、なの、ですね……」
「あんたはさ、グラビリズムとモアレリズム。ふたつのリズムが最大値の
「はい……」
「凛花はさ、あんたの成功を喜んでいる。さらなる
「凛花さんは、僕の作品を
「ん。あんたが手掛けたドラマ、映画、演劇のすべてを観ていてさ。その
「そうなのですね! ……嬉しいな」
「そしてこれから先の未來も、大衆に恵みを与えてほしい、
輝章は胸の奥がジーン、熱くなった。
若い
「ま、凛花のことは俺に
「はあ……。僕にも『
「ククッ! きっとあるんじゃない? だってさ、『
輝章は見えずとも納得できた。皮膚がゾクゾクして泡立つような新奇な
「凛花さんは、
「うん」
「僕にとって『龍使い凛花さん』はかけがえのない恩人です。だから生涯ずっと、『特別な存在』であり続けると思います」
「ふーん……。特別、か。……ま、そうなんだろうね? 凛花から
輝章は声を張り上げる。
「それからっ! あのっ! 部外者が言うべきことではないのかもしれませんがっ! 凛花さんのこと、誰よりも幸せにしてあげてくださいっ! どうかどうか! お願いいたしますっ」
「ん、了解。そもそもさ、言われなくてもそのつもりだけどね? ……だけどまあそうだね。部外者には、
イレーズは停止しているコン太の顔を
「(イレーズゥゥッ! 動けないよお!
「ククッ! そろそろいいかな」
イレーズは
「ゼイゼイッ……! ハアハアッ……!」
「コン太、お疲れさん」
「イッ、イレーズッ! ……なっ、なんで? どうしてここに?」
「もう役目は終わったよ? そろそろ帰ろうか?」
「うっ、うぬぬぬぬう……! そうかっ! そういうことかっ!」
「あ、あらまあっ、イレーズ! えーっと……。じゃ、じゃあ私たちも
「あ、あらあっ、イレーズ、ごきげんよう。……そ、それではまた、
「あっ! ミュウズママ! ユウイさま! 今日は本当にありがとうっ」
凛花は両手を振って礼を伝えた。その
ミュウズとユウイは顔を見合わせる。
「あらあら、イレーズったら! 凛花には飛びっ切りに優しいのね? うふふ、じゃあまたねっ!」
「あらっ、まあ! オホホ。仲がよろしくて何よりですわね。ではまた……」
……シュンッ!
ミュウズとユウイが消えた。
コン太は口を
不意に、レンジが意識を取り戻した。
「ん、んん……。……あれ?
真珠色龍神ノアの背に乗った凛花が答える。
「コン太はさっき帰りました。私たちも帰ります」
「いっ、いや! 待ってくれ! まだ帰らないでくれ! 頼むから処罰を与えてください! このままでは、あまりに申し訳なくて幸せを
輝章と羽衣も同調する。
「凛花さん、お願いです! どうか僕にも
「羽衣にも
凛花は観念した。
「わかりました。では皆さんに『
「ジャバラ……、みかん?」
三人は声を揃えた。凛花は笑って
「はい。ジャバラみかんは
凛花は
「輝章さん! 『リレーション・
作品ファンのひとりとして、そっとどこかで応援しています」
「レンジさん! 勇気を出して『大切な方々』に会いに行ってください。飾らず
もしも目の前に『真心』を差し出されたとしたら、ぎゅうっと
「そして羽衣さん! どうかどうか、幸せになってください! 愛にあふれた正真正銘の『家族』に出会える日が間もなく訪れます。……羽衣さんの『願い』はきっと全部、叶えていただけます!」
羽衣が叫ぶ。
「凛花さんっ、レンジさんが
「はいっ! 羽衣さん、皆さん! …………さようならっ」
ぶわっ…………
無数の蒼蝶(
そうして…………、消えた。
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