第十八章 ②太郎の正体(確証)
稲佐の浜・弁天島の結界上。
コン太がぼやく。
「あーあっ! それにしても残念だなあ! おいらも未來王に
ノアも大きく
「ええ、本当よね。まさかこんな近くに
「ああっ! それにしても
「きっと
コン太とノアは口を
凛花は声を震わせて問いかける。
「あの……? 太郎さんって、……未來王、なの?」
コン太は破顔した。
「そうだよ!
「でも、どうしてわかるの? だってコン太は会っていないでしょ?」
「その『
「え? この布袋?」
「そうさ。そもそも『
「う、嘘……。この御守りが?」
「そういうこと! 『
「……。じゃあ、本当に太郎さんが……」
「そうさっ、未来王さ! 本来ならば
おいらだって一度しか
「そうなんだ」
「未來王と
「……うん」
「それはすごいっ! おいらたち龍神は波動を通じて未來王からのメッセージを受け取ることはできるけど。まだ一度たりとも直接対話したことはないんだよ」
「そうなの?」
「それに超絶ウルトラスーパー激レアの『
「……そっか。本当に、そう、なんだ……」
ようやくコン太の言葉を受け止めると、ふと。凛花に喪失感が押し寄せてきた。寂しさと
……太郎さんはユーモアがあって。テンポが良くて。柔らかくて……。
きっと
どうやら私は
どうやら私は『
そして私は……。途方も無い御方と友人になれたと勘違いをしていた。
図々しく浮かれて。いい気になって。身のほど知らずも
それに、私は幼稚だ。
嬉しいだとか、光栄だとか。そんな感情が
心にぽっかり穴が開いたような
……密かに自覚していたことがある。
私の心の奥底には憎しみがわずかながらも残されていた。攻撃的感情に薄く濁されていた。
そんな
潜在意識の中に隠れていた『毒のトラウマ』を
胸の奥に引っかかっていた『
奥深く突き刺さっていた『毒の針』を引っこ抜いてくれた。
そうして。『
凛花は
「ああ、私って厚かましいなあ……。
もう友人として再会できないって。住む世界が違うって。わかったはずなのに…………」
凛花はどうしようもない現実に絶望して切なくなってしまった。
蒼い
「うっ、……ううっ。そっか……、……そうなんだ。じゃあ、もう、会えないのかなあ…………」
ついに
「あのさ、……少しだけ、俺と
「…………?」
凛花は驚いてイレーズを見上げた。
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