第十八章 ①太郎の正体(察知)
カミハカリ(
イレーズはスルリ、
その
凛花の身を案じて
「…………! 結界があって気づけなかった」
追いかけながら口惜し気に顔を
稲佐の浜。
夕刻が近づいている。
凛花は
……朝から夢のような一日だった。幸せ物質みたいなものが
……グンッ!!
突如、凛花の体が宙に浮かんだ。誰かに腕を引っ張られて空中に浮かび上がった。
ストン……。
弁天島の透明結界の上に降ろされた。
そのまま直立する凜花の目の前には
コン太とノアは弁天島の真上に
「おいおい、イレーズ! そんな
「イレーズ、お願いだから! 凛花に意地悪しないでっ」
イレーズの表情は険しいままだ。低い声でぼそり、言葉を吐き出す。
「あんた、王に会ったのか?」
「……え?」
「未來王が
イレーズが
凛花はビクッとして驚く。クールで冷静沈着なイレーズが
凛花は太郎に言われたとおりに行動する。
「あ、あの、これ……」
「……! これは『
イレーズは
コン太とノアも
「おっ、おいっ! 凛花、この『
「凛花、お願い……。すぐに説明して?」
親友ふたりが声を震わせ問いかける。
「えっと? さっき『太郎さん』からもらったの。『御守り』にしてください、って」
コン太は
「まっ、まさか、まさかっ! 『未來王』に
ノアは言葉を失った。
イレーズは取り乱していた。
「は……? どういうことだよっ! ちゃんと説明しろよっ!」
怒りを
凛花は
イレーズの
ふたりは至近距離で見つめ合った。
イレーズは
イレーズは
「…………。悪かった。ごめん」
「い、いえ……」
互いに後ずさりしてスッと距離を取った。どうしていいのか分からない凛花は戸惑う。向かい合ったまま立ち尽くす。
イレーズは視線を
「クッ! クククッ! あんたって、なかなか面白いんだね? 王を相手にしてさ、あんな白熱した論議をするなんてさあ! ククッ、
「え? 王って……、論議って……」
「ククッ! あー、
「あ、あの、えっと……?」
「まったく。王は気まぐれで落ち着きがなくて困るよ。相変わらずフレキシブル(柔軟)でせわしない
イレーズは目を細めて笑みをこぼした。そして
「もしかしたら俺、あんたとなら『友人』になれるかも」
「え……?」
コン太とノアは
……冷血漢のイレーズが『ごめん』と人間に謝った。
空恐ろしいほど気難しいあのイレーズが声を上げて笑った。
それだけではない。凛花に対してかなり友好的な態度なのではないか?
……もしやもしや! もしかするともしかするかもしれない。
凛花の頭の中は
……王って、誰のこと? まさか太郎さんじゃないよね?
フレンドリーで気さくで『
砂浜に並んで体育座りして。一緒におやつを食べて。たくさんお
……うんうん、そうそう。だから違う。太郎さんが『未來王』だなんて……。そんなはずはない。
不意にイレーズと視線が合わさる。……ま、
……それにしても。イレーズさんのパーフェクトな造形美はいくらなんでも反則だ。神々から
ノアとコン太は顔を見合わせてニンマリする。
凛花の心情を
イレーズの表情は
『カミハカリの演算』によって。『
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