第十五章 ③八大万能龍神
ふと凛花はぐるりと周囲を見渡す。
いつの間にか
「それにしても凛花は凄いな! この短期間に『
コン太は
「八大万能龍神?」
「知らないっけ? ではでは! 八大万能龍神について
表の龍王一族の三尊。裏の龍王一族の三尊。そして、そして! ジャジャーンッ! この
「……。うん」
凛花はあともう一体(一尊)が気になった。
いきなりコン太のレクチャーが始まる。
「聞いてくれよ! 『
そうして難易度マックスのテストをクリアーしなければならないんだ」
「わあ、そうなんだ」
「なんと言っても一番の
イレーズによる超絶シビアなジャッジをクリアするってことはさ。
凛花は万能八尊に
「そうそう!
「あ、確かに八色だ! わあ、燦紋さま! とっても美しいです!」
「そうかね? 嬉しいねえ」
イレーズは考え込んでいた。
調子に乗って軽妙に話したてるコン太や周囲の様子を客観的に観察していた。距離を保って
……それにしても。不思議な女だ。
龍使いの周りには笑顔が
いつの間にか
ときに
龍使いの
もしかすると
イレーズは不本意ながらも納得せざるを得なかった。
コン太が声をかける。
「じゃあ凛花。これからカミハカリ(七日間神議)が始まるからそろそろ行くよ」
「うん」
「それでさ、寂しいだろうけど。おいらたちはこれから七日間は
「うん。ノアがいないとちょっとだけ寂しいかも」
「そうだ! 今日の分のカミハカリ(神議)が終わったら赤煉瓦ベルに送り届けてやるからさ。それまで出雲観光すればいい」
ノアも同意する。
「そうね! せっかくの機会だしね。神在月の出雲を楽しむといいわ」
「え? 観光してもいいの? だけど送ってくれなくても自分で帰れる。大丈夫だよ」
「もうっ、凛花ったら! たまには親友に甘えなさい」
「そうだよ。日暮れまで時間をつぶして待っていておくれよ。赤煉瓦ベルまで送ってやるからさ」
「うん、わかった。ありがとう」
凛花は素直に
カミハカリの刻が近づく。
出雲に
そこに富士五湖の
本殿神域にイレーズの姿を見つけると乱波は
ふと
「おおおっ! 凛花アァ! 来ていたのかい? 凛花アァ!」
「わあ! サイロン、ショウロン、カワロン、モトロン、ヤマロン! 奥様たちも! 会えて嬉しい」
乱波は
「この前は御馳走さん! 今日はすぐに帰るのか?」
「ううん。これから出雲観光するの」
「そうか。それは良い。また遊びに行っていいかい?」
「もちろん! 次は鍋パーティーしようよ! モトロン、ショウロン、カワロンの好物の太巻き寿司も作るね。サイロンとヤマロンのために実家から『みかん』をいっぱい送ってもらうね!」
「おお! 良いねえ! やったね! 楽しみだ」
イレーズは眉間にしわを寄せる。
……なんだ? 〇〇ロンって……。まさかあの女が
気性の荒い乱波たちがまるで
あまりに
コン太は
「おいおいおいおい! ノア、見てみろよ! イレーズが笑ったぞ!」
ほんの少しだけ口角をあげたのをコン太は見逃さない。
「……うそ。初めて見たわ」
ノアは目を見開いて
「あっ、ヤバい! もう時間だ」
コン太は凛花を背に乗せると本殿前の
「じゃあ、凛花。また後でねえ。夕方まで遊んでいてねえ!」
「うんっ! いってらっしゃい」
「イヒヒ! いやはや、いやはや。これはなかなか面白くなりそうだ」
コン太は
「それじゃあねえっ! 本殿を参拝し終えた帰路の境内は右側を歩くようにねえ!」
そうして龍神たちは
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