第十二章 ④集結(乱波の伝授)
コン太のレクチャーが終わった。
富士の
凛花が五つの
「わあっ、見えた! 凛花です。初めまして。皆さんとお会いできて嬉しいです」
「あなたが凛花ね! はじめまして!」
乱波の妻龍神たちの
「噂の凛花に会えて嬉しいわ!」
「黄金龍王トールから唯一認められた龍使いなんですってね?」
「簡単に心を許さないクールなノアと仲良く暮らしているんですってね?」
「あの! 気難しい(ディフィカルト)コン太をあっという間に
「
宝珠の中から乱波の妻龍神たちが興奮して
ノアがくすりと笑う。
「凛花はね、天然の『龍たらし』なのよ」
ミュウズも会話に加わる。
「私も永い昼寝から久々に目覚めたでしょう? そしたら! あっという間に! 龍使いに
凛花は満面の笑顔で応える。
「私には家族がふたつあります。宇和島の家族と龍神たちが家族です。是非とも皆さんとも仲良くしたいです。今日から『家族』として仲間に入れていただけますか?」
乱波の妻龍神たちは凛花の瞳を
「もちろんよ! よろこんで! これからもよろしくね!」
女性陣はトークに花を咲かせてキャピキャピと盛り上がり始めた。
乱波が凛花に伝える。
「それでは特別に。富士の五大龍神と心を通わせる方法を伝授してやろう(西)」
「富士五湖の湖畔の浅瀬の『
「それぞれの
「しかし
「富士五湖それぞれの
「例えばそんなふうに指先から波動を繋げて龍神とまみえる参拝手段も『アリ』なのかも知れない(西)」
黄金龍王トールが
「凛花、良いかい? 基本的に寺社詣でやパワースポット探索は指定のルールに
しかしそこには
参拝やお詣りや観光というものに目的意識や実りを見出そうとするならば。まずは
清らかな瞳に映る景色。差し込む木漏れ日。澄んだ空気を深呼吸して。そよぐ風を肌に感じて……。そんな清浄なる
コン太も頷く。
「おいら、非常識で無神経な奴らは大っ嫌いだよ! だけどウキウキして楽しそうにしている人たちを見ると気分が良いよ!
何となくいい気分になって、元気になってさ。ささやかでも希望が湧き出してきたならさ。きっとそれでいいんだよ!
堅苦しくて生真面目なのも悪くはない。けれど
凛花は納得して大きく
「はい! ドラゴンポイントを探索したくてウズウズしてきました。今度ノアとコン太と行ってみます。ねっ、コン太。三人で行こうね!」
「ん、んん? ……ああ! そうだねえ、行こうねえ…………」
コン太は一瞬、言葉を詰まらせた。しかしすぐに笑顔を向ける。
「だけどさあ、凛花。ほうとうと吉田うどん。どっちを食べるか悩むねえ!」
「そっか、そうだよね。どうしよう、両方食べきれるかなあ」
「じゃあさあ、残ったらおいらが全部食べてやるよ!」
「やった! それじゃあ、鳥もつ煮も食べたいな」
黄金龍王一族は凛花とコン太のほんわか会話を聞きながら心を
しかし柔らかな表情の対極には。
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