第五章 ④否の女社長・コウメ(制裁)
所沢市・緑町。
ドッ、ドッ、ドッ、ドドドドドッ……!
突然、滝落としの雨が
……しまった!
コウメは契約不履行の
ザザアァッ! 激しく打ちつける滝面が金色の
そこに現れたのは
『
低い
「
背後から茶化す声が聞こえてきた。コウメは
からかい口調に声をかけてきたのは浅黒い肌の長身イケメンだった。しかし切れ長の瞳には怒りが
「おいらは
危機的状況だ。それなのに勘違い女の思考は見当違いの方向に向かった。
……あっ!
ずぶ濡れの女社長は
「ねえ? もしかして私、制裁されてしまうのかしら?」
在狼(コン太)は
「もちろんそうだよ! 制裁がおいらの役目だからねえ」
「うーん、そっかあ。だけど今回だけは見逃して欲しいなあ? ダメかなあ?」
「見逃して……、ってことは! 契約を
「ええ、そうね。本当にごめんなさい。ほんの少し、うっかり魔が差しただけなの。すっごく反省しているわ」
「へえ?」
「だから、ねっ? お願い! 許してくれるなら
コウメは両手を合わせてウィンクした。
「ふーん、……何でも、って?」
「だからあ! うふふっ、お互いに楽しみましょう! ってこと!」
ついに色気まで振りまきはじめた。
「うふふ、もしかして!
コウメは擦り寄って腕を
バシィッ……!
ドサッ! コウメは地面に転がった。状況がのみ込めず
「あのさあ! 『
コウメは反論する。
「しっ、失礼ね! せっかく私があなたの相手をしてあげるって言っているのに!」
「厚化粧がひび割れた濡れ
コウメは顔面蒼白になる。腰を抜かして震え上がる。黒光りした恐ろしい龍神の姿に恐れ
「どっ、どうか、おっ、お願いっ! いのち、だけは、助けて……?」
美の女神どころではない。
在狼は再び人間に化身する。ニヤリ、笑う。
「あんたってさあ、とことん空っぽだよねえ? あんたが欲しているものは永遠に手に入らないものだって知っているかい? そんなの世の常識だよ?」
「もっ、もう何も欲しがりません。何でも言うことをききます。あなたの下僕にだってなります。だからっ……」
「あんたなんかいらないよ! 是契約書・
「助けてっ、助けて! どうか、どうか…………、お願い、します……」
「あっ、そうだ! おいらにとって凛花は大事な親友だ。だけど最愛の恋人は真珠色龍神ノアなんだよ。良かったら覚えておいてねえ? まあどうせインコになるんだし、忘れていいけどさ」
「え……? あなたの恋人は真珠色龍神ノアなの?」
「そうだよ! だけどあんたがどんなに憧れて真似したって、
「ひどい! ドブって……」
「イヒヒ! 最期の余生はさあ、大好きな人と過ごしなよ! あんたを大事に想ってくれている人間のひとりやふたりくらい、どこかに居るんじゃあないの? ま、居ないかもしれないけどさ」
「いっ、居るわよ!」
「そいつは良かった! それじゃあ安心だねえ!」
「いっ、嫌あぁ! 待って! 嫌あああぁっ!」
不毛なる会話は終了だ。
「リズム消滅。鬼畜め、バイバ~イッ!」
在狼が消えた。その瞬間、コウメは空蝉インコに姿を変じていた。
『
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