第五章 ③否の女社長・コウメ(餓鬼)
美魔女のサロンオーナー・コウメがテレビ出演していた。
連日の雑誌取材やネット広告によって知名度は抜群だ。行く先々でチヤホヤされ、もてはやされる。そんな日常がいつしか
そうして本性が
陰険なサロンスタッフたちは女社長の陰口を叩く。ひそひそ、陰で笑う。
……
しかしながら女社長のご機嫌取りは通常業務の一環だ。コウメに
今や全国展開となった各サロンを仕切るのは女社長の取り巻きメンバーだ。気に入られたスタッフは幹部に
幹部スタッフの過剰称賛は罪深いほど見事だ。コウメの強すぎる承認欲求を満たすだけの
だから皆、幹部を
いつの間にか女社長のご機嫌取りが最優先事項になっていた。日々が打算に
顧客対応は
途端に悪評が渦巻いた。
コウメの金銭感覚は完全崩壊していた。地獄の
そうして、収益をひたすら優先する方針にシフトチェンジを決めた。価格改定を独断決行する。サロンの入会金と基本施術料金を大幅に引き上げた。美容サプリや化粧品価格を派手に値上げした。
行き過ぎた値上げの影響で客離れが止まらない。収益減少によりスタッフの給料は下がった。幹部との待遇格差から不満が噴出する。
技術者が不足して苦情が相次ぐ。ネットのレビューは
しかしコウメは
セレブとハイスペック限定のパーティを
ブランド品や宝飾品を買い漁る。周囲にひけらかして自慢気にインスタ投稿する。
徹底的に容姿を磨く。さらなる美を追求する。原型を留めないほど整形を重ねた。
経営悪化や人間関係の亀裂の広がりを認識しつつも傲慢女王は
不協和音が響く。リズムが乱れる。龍使い・凛花の言葉を
所沢市・緑町。
コウメは西武新宿線・新所沢駅に下車した。記憶を辿って西口改札を通り抜ける。裏路地を迷いながら歩き回った。
そうしてようやく『赤煉瓦ベル』に辿り着いた。建物の前にひとり立ち尽くして待ち伏せる。龍使いとの『再会』を
……切望する欲念が抑え切れない! 龍使いに頼み込んで願いを叶えてもらいたい!
ヒューン………………、最大値だったリズムが急落した。
黄金龍王の『
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