とある町の心霊スポット・・・

ガジガジ

第1話 帰れない

 僕の名前は、鈴木 健斗小学5年生。


 親の仕事の関係で普通の人なら地名を言っても分からない所に引っ越してきた。


 引っ越して一週間になるが案外友達はできていて馴染んできていると思っている。


 だが学校に行くルートにはトンネルを通らなければならならなかった、友達の竹山にトンネルのことを聞くと


 竹山:「あのトンネルはな〜夜になるとあの世と繋がってトンネルに入った人をあの世に連れ込むんだとさ」と笑いながら教えてくれた。


 今のとこ夜には通ったことはないけど、今のとこ何も起きたことはなかった(そういえばあの時竹山がいわくとか教えてくれそうだったけど)結局先生に呼び出しされて聞けなかったけどな。


 そして今日も、無事学校が終わり竹山と一緒に帰ろうとしたが、担任の松本先生に呼び止められた、


 松本先生:「鈴木ちょっと話したいことがあるんだ応接室で待っておいてくれないか?」と言ってきた。


 鈴木「あっはい分かりました、、」と渋々承諾した、


 すると竹山が 竹山:「じゃあ鈴木お前の話が終わるまで待っておいてやるよ!」と言ってくれた。


 (竹山ナイス!流石にあのトンネルを1人で通るの怖いからな〜心スポもみんなで行けば怖くないからな!)と心の中で喜んでいると。


 松本先生:「竹山悪いがお前は先に帰っていろ」


 竹山:「でも先生それじゃ鈴木が、、、」


 松本先生:「お前は先に帰っていろ」


 竹山:「でも、、、」


 松本先生:「お前は先に帰っていろ」

 

さすがに竹山も怖くなったのか、


 竹山:「じゃあ帰ります、、じゃあな鈴木、、、」


と言って帰ってしまった。


それを見た鈴木先生は、 鈴木先生:「それでいい」と不気味な笑みを浮かべながら言っていた、俺は怖くなってひと足先に応接室に向かった、そして応接室のソファーに腰掛けてさっきの先生の様子について考えていた。


 (なんだったんだろ、、、いつも穏やかでいたずらをしても大目に見てくれる優しい先生なのに、、、)などと考えていたが、いくら待っても先生が来る様子はなく、とうとう日が沈みだしたので職員室に行き、松本先生を呼ぶと 


 松本先生:「おい何でこんな時間まで残っているんだ?登下校の時間はとっくに過ぎているぞ」といつもの松本先生の様子で言ってきた、


 鈴木:「でっでも松本先生が残れって、、話したいことがあるっていてたじゃないですか」


 松本先生:「おいおい鈴木いくらなんでも先生のせいにするのは良くないぞ、しかもそんなこと言った覚えはないしな、嘘つきは泥棒の始まりだぞ〜」とからかってくる。


でも先生は嘘を言っている様子はなく逆にそっちが何を言っているんだ?と言った様子だった、俺も何が何だかかよく分からなくなり混乱していた。


 松本先生:「まぁとりあえずそんなくだらんこと言ってないでささっと帰ったらどうだ?」と言ってきた。


帰り道が怖いので先生についてきてもらえるか言ってみたが、、、

 

 鈴木:「あの、、、松本先生途中まで一緒に帰ってもらえませんか?」


 松本先生:「あ〜ごめん仕事が立て込んでいて今日は家にも帰れそうにないんだよな〜もしかしてお前あのトンネルが怖いのか?」とニヤニヤしながら言ってきた。


 松本先生:「まぁあのトンネルは心霊スポットで有名だが今までいなくなったやつなんていないしそもそもそんなん大体デマだから気にしなくていい!じゃあな!」


(まぁデマだと思うけどそれでも怖いのに、、、)

仕方なく学校を出て外を見ると外は真っ暗で夜になっていた。

俺は焦って家に帰った、とうとうトンネルの前まで来てしまった。

いつもならトンネルのなかは電球で明るいが、よりによって電球が消え掛かっていた、俺は恐る恐るトンネルを通っていると途中で電球がパチッ、、、パチパチ、、パチン!と壊れてしまった。


 焦って俺はトンネルを急いで走り抜けた、


 鈴木:「はあはあ、、なんだよ…やっぱデマだったじゃん」とほっとして前を向くとまたあのトンネルが前にあった。


 鈴木「なっなんでっトンネルは一つしかないはずなのに」

仕方ないのでもう一度目をつぶって全力でトンネルを通り抜けた、けどまたさっきと同じように目の前にまたあのトンネルがあった。


 鈴木:「なんでだよ!くそ!」

叫んでいても意味ないのでまたトンネルを通り抜けたがまたトンネルの前に戻ってきたので何回も何回もトンネルを通り抜けたが結局トンネルの前まで戻ってしまう。


俺は疲れ切ってその場に座り込んでしまった、すると後ろから幼い子供の声で


 子供「おにーさんどうしたのそんなところで座り込んで」

と急に話しかけられたので思わず


鈴木:「ひっ」と声を出してしまったがよく見ると、自分よりも3〜4ぐらい年下の男の子が後ろにいた、見た目も普通なのだがなぜか着物を着ていた、


(多分俺と同じように帰れなくなった子か)


 子供:「おにーさん早くトンネルに隠れないと敵兵さんに見つかっちゃうよ」

と言い子供はその体格に見合わない力でトンネルに引き摺り込もうとしてきた、


 鈴木:「何するんだ!離せよ!」

といったが全然言うことは聞こうとしないでそのまま引き摺り込もうとしてくる、


 鈴木:「おい!本当にふざけるなって!」

ドゴッ!

掴まれていない方の手で子供を軽めに殴ったすると子供は俺の顔を見てニヤッと笑うと目と口から血が流れ出した。

(はっ?俺そんな強く殴ってねーぞどういうことだ)よく見ると子供の着物はボロボロで血に染まっていた。

 

 子供:『おにーさん早く〜みんなが待ってるよ早く来ないと敵兵さんが来ちゃう』

と言っていてトンネルを見ると無数の手が伸びてきてこっちに迫ってきていた、それとトンネルから呻き声なども聞こえてきた。

(やばい早く逃げないと)焦って子供の手を振り解いた瞬間。

竹山?「すっすずギィ〜たったすげてぐれ〜」と竹山の声が聞こえてきた、


その時俺は自分のことで精一杯だったので無視してそのままトンネルとは逆方向に無我夢中に走った最後に「残念」と寂しそうな声が聞こえた気がした、、、


 顔を上げると自分の家の前まで帰って来れていた、家に入ると親が泣きながら抱きついて「健斗こんな時間まで何していたの」と叱りながら心配してくれていた。


 翌日学校に行くと竹山が来ていなくてなぜ来ていないのか松本先生に聞くと「は〜?何言ってんだ鈴木、竹山って名前のやつうちのクラスにいないぞ」と何度言っても同じ回答が返ってきた、他にもクラスメイトに竹山のことを聞き回ったが誰1人として覚えてる人はいなかった。


 (まっまさかトンネルにひきずり込まれてあの世に連れて行かれたら、この世では存在がなかったものにされるのか?)


 (だから被害者がいなかったのか!)ときずき俺はあの時竹山を見捨ててしまったことお思い出してしまった。 

 

 (うっ俺はなんてことを、、、)と竹山のことを悔やみなが学校から帰った今日は何事もなく帰ることができた、そして数日後に引っ越しすることが決まりこの村から出ていった。


この後このトンネルがどうなったかは知らない、今となっては思い出したくもない思い出だ、、、

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