第9話 魔術式

 ドニィーシャの動きは、動き出すためがないため動作の予測ができないことが分かって来た。だが、俺にはドニィーシャを目で追うことはできていない。

 パイロットは才能があるようで、宇宙空間での戦闘をこなせるようになっている。あくまでシミレーションの中での話である。

 スノウビューティーは、300年近くその場に放置されていたそうでウォルターさんたちが整備を進めているが不安である。

 俺は動作チェックのためスノウビューティーのコックピットに座る、暇なので魔術式をいじったらウォルターさんに怒られた。

 俺が部屋に戻るとドニィーシャが入って来る。

 「ドニィーシャ、前動作がないから動き読めないよ。」「少しは進歩しているようね、私は体をコントロールして人の何倍もの動きをしているわ。」

 「それは化け物じみているな。」「この国には、これが出来る人が何人もいるわよ、私はその中で最強の一人。」

 「その動きを目で追えというわけ。」「そうよ、でシミュレーションはどお。」

 「宇宙空間での戦闘をこなせるようになった。」「なら一つはクリアね。」

 「あの、ウルクの魔術式無駄が多くない。」「え?どうして。」

 「スノウビューティーの魔術式無駄があって書き換えたら怒られたんだ。」「魔術式読めるの?」

 「なんとか。」「書き換えたらウルクの反応良くなる?」

 「たぶん、ウルクの魔術式見てないから分からないけど。」「なら、明日、私のウルクの魔術式書き換えてみて。」

 「分かった。試してみるよ。」

 翌日の午後、ドニィーシャのウルクの魔術式を見る。専用の端末をコックピットに持ち込み接続して操作するようになっている。

 ウルクの魔術式は、式の上に式を継ぎ足している感じで複雑に絡み合っている、1から作る直した方が良いのだろうがそこまでの技量はない。

 俺は絡まった糸をほどくように式を書き換えていくが時間がかかりすぎる。結局1割も修正できなかった。

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