第8話 パイロット、決定ね。

 俺は、純白の機体が魔術式を読み込んで起動することから、ファーストフレーム・ウルクが魔術式で制御されることを知った。部屋に戻ってしばらくするとドニィーシャが入って来る

 「オリジナルフレーム動かしたんだってすごいわね。」「スノウビューティー」

 「え?」「名前がなかったから俺が名付けた、白い美しい機体にピッタリだろ。」

 「そうね、いいわ。」「それにまだウルクはスノウビューティーを超えられないんだろ。」

 「確かに、私たちにあそこまでの機体を作る技術はないわ。」「ファーストフレーム量産できないんだろ。」

 「どうして、そう言えるの?」「パイロットを補充できないからさ、魔術の才能が高くて身体能力も高くないとパイロットになれない。」

 「分かっちゃったんだ。」「では、ほむら様にはスノウビューティーのパイロットをしてもらいます、決定ね。」

彼女には俺の意思は関係ないようだ。俺が聞いても重要なことは「いずれ、わかります。」とはぐらかされてしまうだろう。

 「まず、午前中は剣の訓練ね、私の動きが見えたら合格よ。」「見えても動けなければ意味ないんじゃないの。」

 「そんなに時間はないわ、それに動きを追えれば十分よ。」「午後はシミュレーションとスノウビューティーの整備をしてもらいます。」

 「2週間後に新型の強行偵察艦が完成するからそれに合わせてもらうわよ。」「強行偵察艦ていうのは軍艦か。」

 「軍艦だけど宇宙船よ、もちろん大気圏内でも使えるわよ。」「宇宙船に武装が必要?」

 「そうよ、まさか宇宙には人類だけだと思っている。」「そこまで言わないけど、もう戦争してるの。」

 「いいえ、地球外生物とのコンタクトはまだよ、でも異界の住人との戦闘は昔から続いているの。」「君たちって異世界人だよね。」

 「違うわ、あなたと同じ世界の住人よ、ただ、フレイムランドが位相をずらした空間を作り出しているだけ。」

俺にはよく違いがよく分からなかったが、この国の住人がもともと同じ世界の住人らしい。

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