第7話 ファーストフレーム・ウルク

 翌日、俺はドニィーシャの案内で町の下の層を見学に行く。前回と同じく巨大なエレベーターに乗って行く。町の一つ下の階層では荷物を積んだトラックが空を飛んでいる。

 それにパワードスーツだろうか人が乗った人型の機械が荷物の積み下ろしをしている。天井に町の店舗の搬入口が作られている。

 上の町では、商店は地下から商品を搬入しているのである。俺は上の町に車が走っていないことに納得がゆく。俺はドニィーシャに質問する

 「ここの連中も午前中しか働かないのか。」「ここは24時間動いているわ、でも午前中がにぎわっているわ。」

さらにこの下に居住階層が3層あるそうだが、案内を省かれた、その下の階層を見せたいそうだ。

 俺はそこへ行って驚いた、人型兵器が何機かあった、それもさっき見た作業用のパワードスーツではなく、高さは20メートルはあるだろうか、ドニィーシャは言う

 「これはファーストフレーム・ウルクよ。」「こんなんで戦えるのか。」

 「大丈夫、あなたの世界の兵器では対抗できないわ。」「こんなん見せてもよかったの。」

 「良かったもなにも、あなた、フレイムランドの国民だから。」

俺はいつの間にか国民にされていた、まあ行く所もない。強大なエレベーターと上の町の道が幅広いわけが判る。ウルクと言う人型兵器を使えるようにするためなのだ。ドニィーシャは俺に言う

 「試しに乗ってみる?」「たぶん操縦できないよ。」

 「大丈夫、起動するだけだから。」「なら試してみようかな。」

結局、コックピットに座る羽目になる、ハッチを閉じ、教えられたスイッチを入れると

 フィーン、フィーンーーー

と音と共にモニターが外を映し、センサー類が作動する。

 「起動成功したね。」

とドニィーシャは嬉しそうに言う。

 「このまま、シミュレーションをしてみましょうか、シミュレーションと言ってみて。」「シミュレーション。」

と言うと、いくつかのランプが赤から青に変わる

 「どうやって操縦するの。」「感で、適当に」

手足はセンサーにつながっている、右手を動かすと同じようにウルクの腕が動く、今度は歩いてみるが直ぐに倒れてしまった。

 「上出来よ。」 

彼女は上機嫌だ。

 翌日、俺は。ドニィーシャに剣の指南を頼んだ、午前中いっぱいやったが彼女の動きを目に捕らえることも出来なかった。

 やはり、彼女は化け物のように強い。

 俺は、午後からはファーストフレーム・ウルクの所へ行きシミュレーションをする。2時間ほどで基本的な動作ができるようになった。

 休み時間、整備士のウォルターさんとこの階層の縁へ行く、なぜかというとウルクのモニターで見た時、白い機体があるのに気づいたからである。ちなみにここにあるウルクも白いが少し灰色がかっている。

 俺が白い機体に近づくとウォルターさんが

   「そいつはだめです。」

と言ったが、構わず白い機体に近づいて行った。

 そして、俺はオリジナルフレーム・スノウビューティーと出会うことになる。

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