第3話 長い夜

 既に俺たちは政府軍と対等に戦う力を持っていた。また、ほかのゲリラは、力をなくしている。俺は政府と手を結べば、子供たちが戦う必要の無い安定した国になると考える。

 その力を背景に国の大統領と支配地域の自治を認める代わり不可侵の条約を締結した。だが、俺たちが力を持っていることが問題だった。大統領は俺たちの武力を恐れたのだ。

 結果、大統領は、裏切った、国連軍と連携し、俺たちの支配地域に進攻しする。急襲と言えるほど軍の動きは早い。

 一方、俺たちはもう戦闘が無くなると思っている。つまり、油断を突かれた、俺たちは散り散りに逃げるしかなかった。俺たちが再び集まったときには、数は三分の一になっていた。

 俺は解散を命じた、これ以上は死人を増やすだけだった。俺一人で敵軍の陣地へ向かう、夜陰に乗じて指揮官を殺すつもりだ。俺は何もせずに逃げるのは嫌だった。

 俺は、殺すことと破壊しか能のない人間である。これ以上生きても同じ繰り返しに違いない、敵陣を死に場所に定め、1人でも多く道連れにするつもりだ。

 見張りの一人を殺した時、俺の周囲で気配を感じる、俺はこれまで気づけずにいた。緊張して気配を探ると知った顔がいる、子供たちだ。

 俺が聞くと全員、俺の後を追ってきているという、もう、追い返すのは不可能である。俺は軽率な行動を悔いる。

 しかし、このまま行くしかなかった、俺は近くにいた二人を連れて、指揮所を襲う、そして、一人人質に取り指揮官の所へ案内させ、指揮官を殺した。

 これで引き返せば何とかなると思った瞬間、陣地のいたるところから爆発音がしてくる。

 俺はやってしまったかと思う、もう行く所までやるしかない、ついてきた二人には逃げるように言う、そして、俺の長い夜が始まった。

 闇に銃弾が飛び交う中、敵を手当たり次第に殺していった。夜明けの薄明りの中、俺は茫然と立ち、辺りを見渡す凄惨な戦闘の跡が広がっており、立っているものは居なかった。

 そして、俺は気を失う。

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