第14話:多すぎる朝ごはん
普段ならスマホを取って画面を見てみても宣伝のRINEの通知は多くても10いくかいかないかぐらい少ないのだが、この数分でRINEの通知数が999+になっていた。
「え?、、、何これ?」
俺は何が起こっているのか理解できなかった今まで通知で999+なんてなったことがなかったのでバグだと思ったが、、、今ずっと送られてきている、開こうにも999+(増え続けてる)メッセージが重すぎるのか全然開けなかった。
やっと開けたと思ってまず見た文章が異常すぎて俺は目を疑った。
『今日はありがとう』
『これからもよろしくね!』
とメッセージが来ていた、何処がおかしいかと思うかもしれないが目を疑うのはこの後からだ。
『おーい、寝ちゃった?』
『ねえ?起きてるんでしょ?』
『ねえ?』
『ねえ?』
『ねえ?』
『ねえ?』
『ねえ?』
『ねえ?』
・
・
・
『ねえってば』
『早く返信ちょうだい』
(怖⁉︎)
このような文章をずっと送り続けてきたのだ、怖いを通り越して相手が心配になるレベルだ、このままスルーするわけにもいかないので返信することにした。
『どうした?』
『あっ、やっと返信くれた!5分32秒間も返信来なかったから心配だったよ』
『そっそうか、、』
『それはそうと、これはどういゆうことだ?』
『なんのこと?』
『いや、、なんのことって、こんなにメッセージ送ってきたから大丈夫かなって?』
『ん、大丈夫に決まってるじゃん!そもそも友達同士だったらこれくらい送り合うよ!』
『そっそうなのか?知らなかった!』
『今度から何があっても1分の間に返信してね』
『ああなるべく努力するわ』
(こっこれが普通なのか?)俺はまともに友達を作ったことがなかったので花香が言ってることが正しいのか間違っているのか分からなかった。
『で、なんか用か?』
『用ってより、、、明日の練習がんばれ?的な?』
『サボったりしないよね?』
お風呂の中でどうやってサボるかどうか必死に考えてたなんて言えるわけもなく
『さっさぼるわけねーだろ』
と仕方なく答えた、一応嘘は言っていないが何故か俺の良心が痛む。
『そうだよね!それならよかった!』
『そういえばなんで俺を指名したんだ?』
『えー?なんのこと?私指名したっけ?』
『え?嘘だろ?まさか、、俺を指名したこと忘れたのか?』
『ちょっとからかっただけ、忘れるわけないじゃん!』
『なんだよちょっと焦ったじゃねーか!』
『理由は今日も言ったけど彰人が運動神経が良さそうだったからだよ』
『流石に他にも理由あるだろ、、、』
『バレちゃった?なんかリレーで活躍すると私以外にも友達の1人や2人できると思ったからだよ!』
『まさか、、俺のためを思って、、』
俺は、花香は単に俺の反応が見たいがために指名したのだと思っていたが俺のためを思って指名してくれていたことを知り、自分自身が恥ずかしくなった。
『まあ、とりあえず明日は頑張ってね!』
『ああ頑張るよ!じゃあおやすみ!』
『うん!おやすみ!』
こうして俺は花香とのやりとりを終えて明日に備えて寝た。
<翌朝>
俺はスマホのアラームと共に目が覚めた、休日でも俺は5時に起きるようにしている、がリレーの練習に行きたくないからか、布団から出れなかった。
リレーの練習の時間はまだまだ先だったので、二度寝しようと目を瞑った矢先、トントンと俺の部屋がノックされてまた目が覚めた。
「おーい起きてる?」
「入るよ!」
「えっあ、、、」
いつもならこの時間美穂は完全に寝ているはずなのだが、、、
「なんでこんな時間に起きてるんだ?」
「なんでって、、彰人が今日頑張って練習に行くのに呑気に寝てるわけないでしょ」
「さっさ起きて、ご飯用意してるから」
「ああわかった」
リビングの机の上にはいつもよりもボリューム満点の料理の数々が並べられていた。
「こっこんなに多く作ったのか?」
「うん!だって今日たくさん動くんだからいっぱい食べないと倒れちゃうよ」
「たっ確かにそうだな」
(だっだとしてもこの量は多すぎないか?俺のこと大食いの番組に出てる人だと勘違いしているのか?)
でもせっかく美穂が作ってくれた料理を残すわけにはいかないので、勢いよく料理を食べ出した。
「もぐもぐ、、この唐揚げカリカリで美味しい!、、もぐもぐ」
夢中で食べているが、ちゃんと料理の感想も忘れないようにしている、料理には唐揚げなどの朝ごはんには無縁の物もたくさんあった。
(考えるな、ただ食い続けろ!)
心の中でこれを繰り返しいい食べ続けた。
「ふーごちそうさま、、、」
「お美味しかった?」
「うん!でも、、これからはもうちょっと少なくてもいいよ」
「え、、多かった?じゃあ次から少なめにするね!」
「助かる」
「じゃあ行ってくるわ」
「頑張ってね!いってらっしゃい!」
なんとか食べ切れたが吐きそうなぐらいお腹いっぱいになった、7時から練習が始まるので、急いで用意をして学校に向かった。
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