第13話:練習のサボり方

 なんとか話をはぐらすことができたので俺はそのまま今日の出来事を話し出した。


 「あのさ〜さっきも言ったけださ新しく友達できたんだ!」

と俺は自慢げに美穂に言った、なぜか美穂はまた不機嫌そうな顔に戻ってしまった。


 「ふーん、でもその友達女だよね?」


 「女って、、、まあそうだけど何か問題でも、、、はっ」


 (あっ、、あれ?これってまさか嫉妬してるのか?)

 俺が他の女に取られると思ったから美穂は不機嫌だったのか、、、待てよ、、また俺の悪い癖が出てきてる自覚してるのにな〜俺が自意識過剰だってことぐらい。


 小6の時に今までで最初で最後の告白をしたことがある、その時俺は自分が自意識過剰だと自覚してなかったから、相手が俺のことを好きだと勘違いしてやれやれ恥ずかしやがりなんだからと今考えると痛いことを考えながら告白したことがある、


 結果的には振られたが告白した時その子の様子がおかしかったのが記憶の中に残っている、多分俺が自意識過剰すぎて引いてただけだと思うが、、、でも引いてたというより怖がってた気がするが、、、


 本当は告白をしていた現場に2人ではなく3人いたことを彰人は知らない、その三人目とは美穂だったのだ、告白された女の子は本当はオッケーを出す予定だったのだが、少し遠くの方からずっと睨んできたので渋々降ってしまったのだ、この出来事によって彰人は自分が重度の自意識過剰人間だと思うようになってしまったわけである。


 「まっまあこの話題は置いといて、」


 「いやこの話題出したの彰人じゃん」


 「もうすぐ体育祭なんだけどさ〜何故か俺クラス対抗リレーに出ることになったんだ、、、」


 「そっか!体育祭ってもうすぐだったよね!彰人の勇姿絶対見に行くからね!」


 「勇姿って、、、まあやるからには頑張るけどさ」


 そのまま俺はご飯を食べ終え皿を洗ってからお風呂に入った、お風呂には美穂が仕掛けた防水性の超小型監視カメラがあるとも知らずに、、、


 「ふ〜今日はいろんなことがあったな〜」

俺は浴槽に浸かり、今日の出来事を思い返していた。


(1日であんなイベント盛り沢山な日は初めてだったな〜そういえば明日から体育祭の練習あるんだった!どうしよう!)


 基本的にうちの高校は土日が休みで基本的に休日に学校に行くやつは運動部の奴らだけだ。


 なので帰宅部の俺は休日に学校に行くのがものすごく嫌だったのだ、しかも全員参加だったならば諦めて渋々行くのだが、今回はクラス対抗リレーだけ練習に行かなければならないのでとても憂鬱だ。


 「はー」


 とお風呂でぶくぶくしながらどうすれば明日の練習をサボれるか考えていた。


 (フツーにサボったら月曜になって運動部の奴らになんで来なかったんだよ!と怒鳴られて下手に目立ってしまうからな〜熱で行けなくなったと言ってサボったら怒鳴られはしないと思うがクラス中から白い目で見られそうだし何より俺を指名してくれた?花香の面子も潰してしまうからな〜)


 俺は自分だけならサボれたが、数少ない友達にまで害が及びそうなので俺はサボることをやめた。


 「よし!明日は頑張るぞー!」


と風呂の中で大きな声で宣言した。


 その様子を終始見ていた者がいる、言うまでもないが美穂である。


 「フフフフいい筋肉してる、、何気に彰人の裸見るの初めてだな〜」


 と顔を赤くしながらその様子を見ていた、だが彰人がため息をしたので学校で何かあったのか気になってしまった。


 「ため息なんかして何か学校であったのかな?彰人がお風呂から上がったら聞いてみよ」


「んっ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!やっぱりオールバックとか似合うんだ、、、」


 美穂は彰人が髪を洗った後に目に髪が入らないようにオールバックをした姿がたいそう気に入ったらしい、、、

 

 「オールバック案外男らしくてありよりのありかも、、、今度進めてみようかな?」


 その後も彰人に見惚れて、普段なら出さないようなだらしない声を出しながら楽しんでいた。


 彰人が明日のこと風呂の中で宣言した時もちろん美穂は見ていたが、盗聴していなくてもお風呂からダダ漏れだった。


 「おーなんか珍しくやる気じゃん!」


 いつも無気力な彰人がやる気に満ち溢れてる?のを見てとても喜んでいた。

だが音がダダ漏れだったのは彰人の方だけではないことを美穂は知らなかった。


 「ふ〜いい湯だった!」


 「元気そうで何より!明日は頑張ってね!」


 「え?そんなにおっきい声だしてた?」

  

恥ずかしそうに彰人が美穂に尋ねた。


 「うんリビングにいても普通に聞こえてきたよ」


 「まじか、、、」


 恥ずかしそうに顔を覆ってた。


 「何かを頑張ることってすごいと思うから恥ずかしいことじゃないよ!」


 「そうかな?」


 彰人は風呂の中で散々サボるか悩んでいたので素直に喜べなかった。


 「それはそうと、なんか風呂に入ってる時変な声が聞こえてきたんだが何かあったのか?」


 「〜〜〜〜〜〜〜〜っ!、」

 

 (まっまずい!あまりにも夢中になりすぎて変な声出てた?だとしたら誤魔化さないと!)


 「い、、いやいやナンノコトカナ?ゲンチョウダヨ!、、タブン!」


 「そうだよな、久しぶりに学校に行ったから疲れてただけかもしれないな」


 「うん、多分そうだよ!疲れてそうだから今日は早めに寝たら?」


 「ああそうするよ、おやすみ、、」


(は〜〜〜なんとか誤魔化せた〜〜)


 「ん、おやすみ!」


 こうして俺は自室のベットに寝転んですぐ寝ようとしたがメッセージが来たがどうせ何かしらの宣伝しかメッセージが来ないのでそのまま無視していたらずっとメッセージを送られてきたので、確認すると花香からRINEが来ていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る