第11話:花香目線
(うちのクラスには冴えない男子が1人いる、だけどここ9日も学校に来なくて心配になった)
原因はなんとなくわかっていた、彼の唯一の友人で幼馴染の倉橋さんが死んでしまったからだろう、噂によると彼は家から一歩も外に出ていないらしい、私はこのまま樋口くんが学校にこなくなるのかも?と考えてしまうだけでも悲しくなってくる。
何故私が、樋口くんは倉橋さんと幼馴染だということを隠しているにも関わらずその関係を知っているのかというと。
実は私も彼、樋山彰人と同じ中学校に通っていたからだ、中学時代樋口くんとはあまり面識はなかった、彼は中学も高校と同様にあまり目立つタイプの人間じゃなかったので私は苗字ぐらいしか彼のことを知らなかった。
(はー今日も来ないのかな?)
と落ち込んでいると教室の後ろ側からガラガラとゆっくりドアを開けて彰人が教室に入ってきた。
(よかった!立ち直れたのかな?これを機に話しかけてみよっかな〜?)
などとモジモジと迷っているうちに別のクラスの女子数人が彰人の席の前に来た。
(えっ、、、大丈夫かな?雲行きが怪しくなったら止めにいこう!)
花香は完全に彰人が他のクラスの女子にリンチでもされるんではないかとヒヤヒヤしていたが花香が予想していない結果になった。
(え?なんで他のクラスの女子が謝ってるの?そういえば樋山くんが休み出した日に小倉さんのことで怒って帰って行ったことは噂で聞いたけど、、、まあ樋山くんが無事ならいっか!)
そのまま何事もなく午前の授業が終わった、だが一つ気になったことがあった、樋山くんは立ち直れたと思っていたがあまりにも大丈夫そうに見えたので私はただ彼は見栄を張っているだけだと思い、思い切って樋山くんに話しかけてみた。
「樋山くん朝は災難だったね〜私も久しぶりに樋山くんがきたな〜って思ってたら急に隣のクラスの女子たちがきてびっくりしたよ!」
と気軽に話しかけた、高校でもあまり接点があまりなかったので朝の話題を出して話しかけてみた。
なんと私の名前を覚えていてくれていたのだ、まあクラスメイトの名前を覚えるのは普通だと思うけどそれでも嬉しかった。
だけど樋山くんは私と高校三年間一緒のクラスだということを覚えていなさそうだったので私は少しショックを受けたが今まであまり話しかけたことがなかったので仕方ない。
相変わらず樋山くんはぼっち飯をしようとしていた、今日は弁当だったいつもはコンビニのパンとかおにぎりだったのに珍しいな〜と思っていたが、樋山くんは自分で自炊してそうにもないので誰かに作ってもらったのだと思った、樋山くんは両親と一緒に住んでいないようなので誰に作ってもらったのか疑問に思っていたが、恋人ができてその人に作ってもらったんじゃないか?と思ってしまった。
別に樋山くんに恋人ができても私には関係ないはずなのに何故かソワソワしてしまって思わず遠回しに恋人がいるのか聞いてしまった。
反応からして恥隠しのように否定していたが私はその言葉を信じたかった。
思わず樋山くんに一緒にご飯食べよ!と誘ってしまった、実は私もぼっち飯をしていたので久しぶりに学校で誰かと一緒にご飯を食べることになったので少し緊張し出した、このまま緊張していてはいけないので樋山くんの机に前にあった机をくっつけてご飯を食べ始めたがクラスのみんながこっちを見てくるので緊張していたら。
緊張していた私に気を遣ってくれたのか、教室じゃないとこで食べないか?と言ってくれた。
なので私はいつも使っている体育館裏に樋山くんを連れて行った、本当はここは誰にも知られたくなかったのだが、何故か樋山くんになら教えてもいいと思ったのだ。
これを機に樋山くんとは距離を縮めたいと思っていたので私のことを名前呼びで呼ぶように言って、恥ずかしそうに名前を呼んでたとこはとても可愛かった。
だが次の瞬間立場が逆転してしまった、樋山くんが私にも名前で呼ぶように言ってきたのだ、私が名前呼びをさせたのに私だけ樋山くんの名前を呼ばないのも失礼だと思ったので恥ずかしながら名前を呼んだ。
彰人は意外そうな顔をして、
「え?俺ってきり男子の名前呼び慣れてるのかと思った」
と言ってきた確かに私は男女ともに友達はいるが親しい男子には名前で呼んでいるが、好きな相手の名前を簡単に言えるわけない。
なんとかこな話題を終わらせて、お互い弁当を食べながら話をした、初めは話す話題がなさすぎて黙り込んでしまうと思っていたが。
案外彰人と楽しく話すことができた主にラノベやらアニメの話だが、私は元々こういう類のものは見なかったのだが中学時代彰人と話す口実が欲しかったのでラノベやらアニメやら見出したが、案外ハマってしまい今じゃ彰人関係なしに見るほどだ。
なぜ私が彰人に固執するのかというと、昔彰人に助けられたことがきっかけだった。
<中1の2学期>
当時私は小太りでお世辞にも可愛いとは言い難い見た目だった、当時の私には友達が居なかったわけではないが今ほどいなかった、彰人とは同じクラスだが大体いつも小倉さんと一緒にいた、小倉さんは中学の時から可愛かったし性格も良かった誰にでも同じように優しく接する姿はまるで女神のように見えた。
ただいつも一緒にいるというよりは監視しているように見えたが、、、まあ多分その時の私が感じた事なので気のせいだと思うが、、、
ある日、帰るのが遅くなって急いで帰っていると後ろから男が私の口を押さえ近くの車に運び込もうとされた、私を誘拐して身代金を請求するつもりなのは明白だったので私は精一杯抵抗したが大人の男の人に力が勝てるはずもなくそのまま連れ去れれると思った時、小柄な同い年くらいの男の子が助けに入ってくれた
。
大人相手なので流石に小柄な男の子1人じゃどうしようもないと思っていたが、男の子は男が振り回すナイフを全て避け接近してナイフを遠くの方に弾き飛ばし
男に一撃を決めた、男は苦しそうにお腹をさすってもがいていたが。
男は武器がなくなったので部が悪いと思ったのか私を置いて逃げ出した、だが男の子は目にも止まらないスピードで男を追いかけてあっという間に男を捕まえて警察を呼んでいた、あまりにも人間離れのことをしてていたので私は夢でも見ているようだった。
その後すぐ警察が来て男は捕まった、私も少し事情聴取されたがすぐに解放された、男の子は警察になんでこんな無養なことをしたんだ!と怒られていた。
それから私は男の子の事情聴取が終わるまで待った、私が終わってから30分後に男の子は解放されて警察署から出てきた。
「さっきは助けてくれてありがとう」
「別にいいよ、今度は気をつけなよ」
と一言いい残して帰っていった。
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