第10話:怖い笑顔
「ただいま、、、」
花香と別れてそのまま家に入ると何故か玄関に仁王立ちをした美穂がいた、機嫌が悪そうにニコニコしながら俺のことを圧をかけながら見つめてくる。
「おかえり」
相変わらず圧をかけながら見つめてくる、(俺なんかやったか?いやマジで俺心当たりないんだが?)ところでなんで玄関にいるんだ?朝からずっといるわけないのに。
「なんか機嫌が良くなさそうだが大丈夫か?」
恐る恐る聞いてみた
「え?なんのこと私機嫌悪くないよ」
と返してくれたが一向に表情が変わることがなかった。
(これ絶対機嫌悪いやつじゃん!)
「そういえば、なんで俺が帰ってくるタイミングがわかったんだ?」
美穂は怖い笑顔が崩れて何やら焦っている様子だった。
(やばいやばい!もしかしてバレちゃったかな?彰人には内緒で彰人のスマホに位置情報などを私のスマホに送れるようにしたこと、、、)
あれは初めてこの世界で私が彰人に会った日、私と会うなり彰人すぐ寝ちゃったから掃除とかなんやらとやったけど暇だったので興味本位で彰人のスマホのパスワードが昔と一緒かなと試したら開いてしまった、ほんの出来ご心だったいつか使えるかも?と思い学生時代の時から世話になっていた監視アプリをバレないように彰人のスマホにダウンロードしたのだった。
(中学の時から一を把握してたなんて言えない!まあでもここの彰人には初犯だからセーフ?かな?)
「えっ〜とね幼馴染なんだから彰人がいつぐらいに帰ってくることぐらいわかるよ!」
「そっそうか」
(美穂はそんなに俺のことを見ていてくれたのか、、、なんか嬉しいな)
「それはともかく外で誰と話していたの?」
「ん?」
(そんなに大きな声で話してたっけ?)
「あ〜今日できた友達と話してた」
「へーーーそーなんだーーでその友達って男じゃないでしょ?」
またさっきの怖い笑顔をしながら美穂は俺に問い詰めてきた。
「まあそうだけど、、、何か問題でも?」
「彰人に泥棒猫が付き纏っているからじゃない、、、」
俺は聞き取れなかったが何かボソっと言っていた。
「あのさーそこに立たれてたら入れないんだが、どいてくれないか?」
「あっあ〜ごめんね」
美穂はいつもの笑顔に戻った、(結局何だったんだろ?はっそっか最低限のものしか美穂に与えてないし何よりスペアキー渡してなかったから外に出れなくてイライラしていたのかも、、、よし今週の日曜日にでも一緒に買い物にでも出かけるか!)
そのまま俺たちは、美穂の作った晩ごはんを食べていた、相変わらず美穂の料理はどれも美味しい、しかも料理のバリエーションが多くて驚いている、俺は夢中になって食べていたが箸を止めて美穂に話し出した。
「あのさ、今週の日曜に買い物にでも出かけないか?」
「ん?えー〜ー〜ーー」
「えーーってそんなに嫌ならいいが、、、」
(嘘だろまさか俺実は美穂に嫌われてた的な?そうだったら俺泣くぞ)
「いやそうじゃなくて、驚いちゃったんだ」
(まさか彰人の方からデートに誘ってくれるなんて)
「そんなに驚くことか?」
(こいつ俺のこと究極のインドアだと思っていたのか?)
「うん!だって彰人からデートに誘ってくるなんて意外だったもん!」
と満面の笑みを浮かべながら答えてきた、
「へ?デート?」
「ん?デートだよ」
「デートってあの男女2人が出掛けて遊びに出かける?」
「うんそうだけど?どうかした?」
俺はみるみるまに顔が赤くなっていった(やば!よくよく考えたら俺デートに誘ったのか、、、恥!何が「あのさ、今週の日曜に買い物にでも出かけないか?」だ!なんかデートに誘い慣れてるやつみたいじゃねーか!)
「いっいや何にもない!」
「そう?ならよかった!」
「じゃっじゃあ日曜は楽しもうな!」
「うん!」
「そういえば近所のスーパーの卵っていつ安くなるんだっけ?」
「えっ急にどうしたの?えっと〜確か来週の水曜日ぐらいじゃなかったっけ?」
こうして俺はデートに誘ったつもりではないことを美穂に勘付かれないように適当に話をはぐらかしたのであった。
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