第9話:体育祭の種目決め2
(ふーリレーには出なければならなくなったがもうこれで俺はこの時間何もしなくていいな)
うちの体育祭ではクラス強制参加の種目以外1人必ず最低1種目出なければならないことになっている、でも1人で3、4種目もしてる奴もいるが大体陽キャの運動部しかしない。
俺は特にやることがなくなったので5、6時間目が終わるまで寝ようと突っ伏してたら、突然河柳さんに起こされてしまった。
「起きてください」
「え、、、はっごめん、、」
河柳さんは呆れた顔をしていた、そりゃそうだクラス一丸になって体育祭のことについて決めてるのに俺だけ寝てるのはおかしいもんなおかげでクラスメート全員が俺を注目している、俺は反省してこれからは寝ないようにしようと心の中で誓った。
「それと二人三脚だけど」
「ふぇ?二人三脚?」
(なんでここで二人三脚の話が出てくるんだ?河柳さんはただ寝てる俺を起こしただけじゃなかったのか?)
「井上さんがあなたと組みたいと言っているんですがどうします?」
「え?、、、花香が?」
(嘘だろだから俺があんなに注目されてたわけだ、、、陰キャの俺が寝ていたところで注目されるわけないしな、)
離れた席で花香はニコニコと笑っていた、こっ断れるわけないっ、花香がクラス対抗リレーに指名されたのはギリアウトだったが、こっ今回は完全にアウトだ、嫉妬に狂った奴に後ろから刺されるかもな、だが断ったらハブられて俺の居場所を失うことになる、、、ん?待てよ元々俺ぼっちだし怖いものなくね?
そう、彰人には失うものがないのだ、、、なので今の彰人は最強なのだ。
「ちょっとそうゆうのは、、やりませ、、、」
言いかけている途中花香の方を見ると残念そうにこちらの方を見ていた、その瞬間失ったら嫌なものがあることに気がついた。
「いや!やっぱやります!」
俺にとって高校で初めてできた友達を失うのが嫌なことに気づいた、結局目立つ形になってしまったが後悔はしてない、クラスの男子から嫉妬されるが高校初の友達と一緒の種目を出れる方の嬉しさが勝っていたのでそれはそれでよかった。
花香の方を見たら満足そうにこちらに微笑んでいた。
「見たか樋口!井上さんが俺に微笑みを向けてくれたぞ!」
「そうかよかったな、、、」
彼は俺の隣の席の田口 健斗といい顔はイケメンの類だがモテないしどちらかというとインキャの類の人間だ。
「やっぱ薄々気づいていたがやっぱ井上さんは俺のことをゴニョゴニョ、、」
「はいはいそうだな、、、」
「モテすぎるのは辛いぜ!」
このやりとりは大体いつものことなので軽くあしらう、田口が何故イケメンなのにモテないかというのは自意識過剰+ナルシストだからだ最強の二つを兼ね備える田口に女子は近づこうとはしない、そう田口は残念なイケメンなのだ、、、
こうして田口のナルシ話を聞いているうちに6時間目の終わりのチャイムが鳴った、結果的に寝ないで済んだので心の中で田口に少し感謝をした。
そのまま終礼が終わって帰る準備をしていた。
「花香一緒に帰ろうよ〜」
「あっごめん先帰っといて、少し用事があるからさ!」
「それなら少しぐらいなら待つけど」
「みんなを待たせるの悪いし先帰っといて」
「まあいいけど、、じゃあまた明日!」
「うん!また明日!」
そのまま花香の友達は帰って行った、(じゃ俺も帰りますか!帰ったらため置きしてたアニメ見るぞ!)と俺が帰ろうと教室を出ようとした時。
「彰人ちょっと待って!」
「どうした?」
「今日は一緒に帰らない?」
「いや、お前用事あるんじゃないのか?」
「いやないよ」
「だったらなぜ?」
「何故って彰人と一緒に帰りたかったからかな?」
「ああいいぞ」
ぼっちで帰るのは嫌だったので俺はその誘いに乗った。
驚いたことに帰り道は同じ方面だったただ俺の家よりも少し遠いが、歩いて帰りながら好きなラノベは何か?とか趣味の話を存分に楽しんだ、だが俺の家に着いてしまったので楽しい時間は終わってしまった。
「ここが彰人の家?おっきーうちの実家もそのくらいあるよ〜」
「え?花香の親もお金持ちなのか?」
「うん!私の親は井上書店の社長なんだ〜」
「え?すご!」
井上書店とは親父が運営する会社と同じぐらい大きい会社だったのである。
「じゃあまた明日」
俺はそのまま別れて帰ろうとしたがまた花香に呼び止められた。
「ちょっちょっと待って!」
「どうした?言い忘れてたことでもあったか?」
「あの〜えっと〜RINE交換しない?」
「まあいいけど」
花香は顔を真っ赤にしながら連絡先を交換しようと言ってきた、もしかしてこいつ照れてるのか?そんなわけないよな、俺が自意識過剰だっただけか、、、
(夕日に当たってそう見えただけだな。)
何がどうあれ高校初の友達と初めて連絡を交換した(やったー連絡先ゲットしたぞー俺から言い出すのはなんか嫌だったんだよな)俺から連絡先聞いて、
『えっ無理、、きしょ、、、』とか言われたら落ち込んで学校にいけなくなるからだ。
そのまま花香と別れて家に入った、何故か玄関には仁王立ちをした美穂がいた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます