第8話:体育祭の種目決め
俺たちは昼食を食べ終えて、そのまま体育館裏のベンチで雑談していたら意外にも花香はアニメとかラノベとかが趣味だったことを知った、、、
「なんか意外だな、うちのクラスの一番人気の女子がラノベとかが趣味だったなんて」
「そう?まあ私の周りにはラノベとか読む人いないからそういう感じには見えないか」
心なしか少し寂しそうに笑っていた。
「でもこれからは一緒に趣味を話せるようになったな!」
「え?いいの?」
花香は驚いた様子でこっちを見てきた、人と趣味の話をできることが嬉しかったのだろう実際俺自身も趣味を語り合える友達がいなかったのでとても嬉しく思っていた。
「ああもちろん!俺も趣味を語り合える友達がいないから、これからも話せると嬉しい」
(美穂は友達というか親友だがあまりラノベなどの類には手をつけなかったので語り合えなかったので正直めっちゃ嬉しいというか友達も美穂1人だけだったし、、、)
「うん!ありがと!これからもよろし、、、って友達?」
(えっまさか、、、花香にとって俺は友達未満のちょっと親しく話す程度に感じていたのか?)
「え、、嫌だった?」
「嫌じゃないけど、、、」
(あーご飯誘ったのになんで勘違いしないのかな?まあ今は友達でいっか、、、)
「じゃあこれからよろしくな!」
「あっうん!」
(なんか花香の反応がちょっと気になるが、、、まあいっか)
その後帰りながら話していたら体育祭のことが上がってきた。
「そういえば彰人って体育祭何出るの?」
「えっあ〜体育祭か〜今のとこは楽な競技ならどれでもいいって思ってるけどリレーみたいなのは無しだな」
(正直花香が体育祭のことを話題に出さなかったら完全に体育祭のこと忘れていた、、、まああんなことがあったからな、、、)
「えっなんでリレー出ないの⁉︎彰人運動神経良さそうなのに、、、」
と驚いた顔で言われた、運動神経が良さそうって言われたのは嬉しかったが、、、
(って言われてもなー俺みたいなインキャがリレーなんて出たらブーイングが起こりかねないしな)
「と言われてもな俺の立場が立場だからな、、、」
「そう、、、」
あまりにもあっさりと諦めたので少しふわんになりながらもホッとしたちょっと花香の顔がニヤけてた気がしたが気のせいだろう、、、ちなみに今日の5、6時間目は体育祭の種目を決めるらしい。
5時間目が始まると担任の竜山先生が入ってきたが、俺は忙しいから勝手に決めておけと言い残してそのまま出て行った、先生の代わりに委員長の河柳さんが仕切り出した。
「綱引きや大玉転がしなどの種目はクラス全員で参加するのでそれ以外の種目を決めていきましょう」
「まずクラス対抗リレーに出たい人は名乗り出てください」
ぞくぞくと運動部のエース級のやつが名乗り出てきたが1人足りなくなっていた、それもそのはずである、今名乗り出ているのはうちの学校でもトップクラスの運動神経を持つ奴らのところに混ざりたくないに決まっているからだ、、、
(こんなチームに運動神経中途半端なやつが入ると引き立て役にもならないからな、まあ俺は少しばかり運動神経はいいが絶対に名乗りでないがな)
「最後の1人が決まりませんね、、、じゃあ指名制でもいいですよ」
(どうせ指名制にしたところで俺は選ばれないから安心安心)
すると1人手を挙げた、そう花香だ、、、クラス1の美人が誰かを指名するので男子はソワソワし出した、それとは別の意味で俺もソワソワし出した、昼の出来事もあり俺は冷や汗をかき始めた、(さっ流石に俺を指名するわけないよな、花香は俺と違って友達も多いしきっと俺じゃないはず!)
「はい、井上さん誰を指名しますか?」
「えっと〜彰人!」
悪戯っぽくニヤニヤしながら俺を指名してきた。
(えっこのクラスに彰人って2人いたっけ?うんいるに決まっている!俺が選ばれるわけないしな、って彰人はこのクラスでは俺しかいねーよ!なんでだよ!)
その瞬間教室がざわめき出した、
「あれ?彰人って名前の人うちのクラスにいたっけ?」
「ん?しらねー」
「てか井上さんからの名前呼びうらやまし〜」
「俺じゃなかったのかよ〜」
と聞こえてきた、、、(くっここまでクラスのみんなに認識されてなかったとは、、、)俺はちょっとショックを受けた。
「みんなクラスメートの名前も覚えてないの?」
「樋山くんの名前が彰人って言うんだよ!覚えときなよクラスメートなんだから!」
と花香は俺を指差してきた、、、
「「「樋山って、、、えーーーーー〜ー」」」
クラスメイトのやつは俺の方を見て驚いていた。
「えっと〜樋山くん嫌なら断ってもいいよ、、、」
俺が指名されるとは思っていなかったようでちょっと動揺しながら河柳さんは気を利かせて俺に逃げ道を作ってくれた。
(だっだめだ断れるわけないだろ、、、クラス1の美人とクラス1の人気者のご指名を断れるわけないだろ、、、)
「やっやります!」
「本当に大丈夫?」
「はっはい大丈夫です、、、」
河柳さんは俺を心配していたがもうこの状況なのでどうすることもできなく俺は諦めた。
「じゃあ次は二人三脚を決めていきたいと思います!」
こうして俺はクラス対抗のメンバーに選ばれてしまった。
だがこの時俺は更なる注目を集めることになることを知らなかった。
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