わたしが最強な話
星色輝吏っ💤
前提:時計の針は一切動いていない状態だった 結論:災厄として語り継がれた
わたし、最強なの!
だってね、〝あの人たち〟が言ってたの!
私は最強だぁって
なんでそんなに褒めてくれたんだろ?
怖そうなおばさんだったけどー
隣に優しそうなおじさんもいたかな
――つい昨日のことだけど
二人の名前も知らないけど、
二人は赤の他人なの
真っ赤な他人さんなの!
そういえば二人とも黒っぽい服だった
でも、ちょっとだけ真っ赤な色が混じっていたような
まあいいや まあいっか
それにしても、ここはどこなんだっけ
ママが言ってた気がする
そういえば視界が真っ赤なんだけど!
で、背景は真っ白なの!
そうだ、ママは『雲の上』って言ってたっけ
赤色の雲もあるんだ、しらなかった
新発見だね!
ね、パパ!!
パパ、いないかなぁ?
…………いないなあ じゃあどこなんだここは?
何となく感覚はあるから・・・
首をぶんぶん回してみる
イエーイ!!!!
…………ぼとり
何の音だろう?
わからないけど、心なしか視界が黒ずんできた気がする
けれど、未だ視界の上の方は真っ白だね!
おもしろーい
というかなんだか首がぐるぐる回っているような気がする
わたし、感覚がちょっと鈍いからわかんないんだよねっ!!
記憶力もぜ~んぜんないし!!!
パパの血を嘗めてしょっぱいなって思ったのは覚えてるんだけどねっ!!
いっつも野菜さんをママが痛めつけてる包丁があったから、
わたしは面白がってパパにぶっ刺したの!!!
そしたらね、パパったらね、
野菜さんやカエルさんとは違って、何か言いながら踊り蠢くの!!!
涙まででてたの!!!!
おもしろかったぁぁぁぁ!!!!
…………でもその後、ママが料理してるときにね、
間違えてね、
私の腕を斬り落としちゃったんだ!
ひどいよねっ! だってさあ、
わたしがみんなのことを楽しませてあげられなくなっちゃうじゃん!!!
ひどいよね、だからしょうがなかったの!
わたし、ママのこと好きだったんだけどね、
わたしは頑張ったの!!!
それを認めてほしくてね、
脚を使ってママを殺したの!!
脚で包丁挟むの大変だったよ!
でもしょうがなかったんだもん!
あの後のことはあんまり覚えていないね・・・
汚いおじさんに裸を見られたのはなんだか覚えてるんだけど・・・
ほんとうに気持ち悪かった!!
わたしだって女の子なのにね!
あ、思い出した!
〝あの人たち〟はわたしの新しいパパとママのことだ!
でも前のママとパパよりも老けてた……。
あ、でもねっ! 最強だって言ってくれたことはうれしいよ!
どういう意味だったんだろうね!
……いぃや。
そのまんまの意味だよね!
あはっ!!!
ねえ、さっきから――
――聞いてる?????
わたしが最強な話 星色輝吏っ💤 @yuumupt
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