第20話 恋心

放課後部活が終わると佐藤と香が一緒に帰る。

どうやら家が近いらしい。

佐藤はコロコロと男になったり女子になったりする。


「怖いでごんす。あれはハンターの目でござるよ…」

「うーむ、風紀が乱れておるな」

「新作マル☆ちーず様のこのシーンいいッ」堤は写真を撮っている。


あおいまで佐藤に夢中に見える。

土屋は地面に目をやりプルプルと震えた。坊主頭の土屋が直立でプルプルすると、まるであれを思い出す。

大塚も負けずとスウィングをした。



「香っち一緒にかーえろ☆」今日は女子でとてつもなく可愛い。

「え、はいぃ…」ATフィールド全開。

「今日はつけまのつけ方教えるんるん♪」佐藤の特訓のおかげで香はどんどん綺麗になっていく。ちょっぴり寂しいけど我が部には、蒼井そらに似ているあおいがいるじゃないか。


「おめーら付き合ってんの?」KYのあおい選手に3000ポイント。

「そ、そんなっまさかですよ!」香は両手をブンブンと振る。

「それでもボクは構わないけど☆はい手」手と手を重ねた。女の子になってる時は手を繋いで帰るらしい。

羨ましい、妬ましい…血の涙が出そうだ。

可愛いふりして男の子なんだから。油断してたら食べられちゃうわよ。


大塚と土屋で後をつけてみたら、電車に乗り寄り道をしてパフェを食べて帰っている。見た目は仲の良い女友達にしか見えない。

香と別れ、佐藤は来た方向の電車に乗った。


なんと佐藤の家は香の家と逆方向だった。


角を曲がると「なーにしてんのさっきからー」と佐藤が腕を組み立っている。

「さ、詐欺でござるよ!」

「そそ、そうだそうだ!何が狙いだ!!」


佐藤は頬を赤らめ下を向いた。

「ボク、香っちのこと好きになったかもしんない…」


「!!??」


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