第19話 サナギから蝶へ
香は美しい女性に変化した。
あおいが香に鏡を渡すと、自分を見て叫び声をあげて倒れてしまった。
「この子、入学式からずっと目つけてたんだにゃん」と佐藤はケラケラと笑っている。
「佐藤先輩は、その、どっちが好きでやんすか?」気になる。
「どっちも☆この格好で百合もいいし、男に戻ってノーマルでもいい。男に抱かれてもいいし♪」
ず、ずるい。しかも男女に大人気だ。
大塚と土屋は下唇を強く噛んだ。
堤は何度か大きく瞬きをした。
「…けしからん」ちょうど堤の持っているマル☆ちーず様の本は百合ゾーンだ。
あおいは佐藤と気が合うようで胡坐をかいて二人で話し続けていた。
起き上がった香は部室のすみで鏡を見ていた。
信じられない。「これが私…?」
「そうだよー、わかんないことあったら何でも聞いてねー」佐藤は終始笑顔だった。
翌日になり、香が部室に男をずらりと連れてきた。
「こここ断っても聞いてくれなくて…」
あおいが蹴散らした。「部室に来る時はメイクしないほうがいいんじゃないか?一応ここ正式な部じゃないし」
「そっそうですよね!すみません」謝り頭を下げた時に後ろにいた大塚と土屋に、ペロンとピンクのリボンがついたパンティーが顔を出した。
あおいは見せている感があるが、香は初々しい。
思わず大塚と土屋は足を組み返した。
大会にも出たし、これで男子3、女子マネ2、顧問1の部活らしい形になってきた。
これ以上は狭い用具倉庫に入らない。
男子が少ない気がするけど活動が活動だし仕方ない。
帰りに大塚と土屋がポールを昇り降りするのを見て佐藤は笑っていたが、あおいと香は??だった。
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