第12話 続あれの神

今日は皆で秘密を一人一個を披露するという日だ。

一人一人秘密を暴露していくと、ろうそくの火を消していく。

「俺、実は真性なんだよな…」剥かないで、痛いから。

「おいどんは本当はショタも好きでござる」全員の背筋が凍った。

「私はうーん、今日は黒だな」ご馳走様です、女王様。

「私はマル☆ちーず様の作品を学校の書庫に隠してある」顧問の堤でさえもギリギリだ。



全てのろうそくが消えたら部室の真ん中でほんのりと明かりが灯った。

「出たーっ!!」全員が部室の端に逃げ込んだ。

次第に形がくっきりとしてくる。

それは赤と白の丸くて長いあれだった。頭には弁当の蓋と食べかけのナポリタンがかかっている。大塚のあれだろう。

昨日三回使い終わったあれを余ったナポリタンと共にコンビニに捨てた。

「そのほうらには呪いがかかっているぞ」

「あれの事ですか?」あれの神を彷彿とさせる。

「そうである。あれは私のかたきであるぞ。呪いを解いてやろう」

光るあれはくるくると回った。

「六年以内に童貞を卒業すればこの上なき幸せが訪れるであろう」

「それならいける!」「六年もあればいけるでごわす!」

「…」あおいは黙っている。

「私は既婚者だが…十五年間レスだ」堤が打ち明けると全員が憐みの目で見た。

「風の方はありでやんすか?」土屋こいつ、まさか…。

「ノンカウントである。恋心を持てばよろしいぞ」

それだけを告げるとあれは床に落ちた。

「恋…か…」あおいが動かないあれを見て呟く。


あおいは恋をしているのか?

唯一のアイドルが誰かに取られてしまう!?

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