第10話 あおいそら
どうも土屋が来てからムッツリではなくハッキリスケベな気がする。
それでいいのか。しかし土屋を追い出せばあおいも出ていくだろう。
また一人になっちゃう。寂しいのはもう嫌。
悶々と考えたのだが五七五しか思い浮かばなかった。
「夜なのに、僕がみたのは、あおいそら」
そういえばあおいは蒼井そらに似ているではないか。
名前まで似ている。通りで最近、蒼井そらのモノばかり観ていたはずだ。
これは恋?いやいやまさか。
何にしても土屋が余計に邪魔だ。土屋とあおいは幼馴染で仲が良い。
どうしたものかと蒼井そらを流し観る。
思い立った大塚は三人で撮った、写真の土屋だけを拡大コピーしていた。
二人が来る前にセッティングをした。
壁一面土屋の顔面。性格が悪い?いや策士です。
二人が部室に入り、土屋は慌てて写真を隠そうとするがあおいが拾って見た。
「なんでごんすか!!こ、これは全部拙者でごわすか!?」
これでがっかりするはずだ。
土屋は”ちょっと太った窪塚洋介”ではなく「まいう~」の人だと。
「あ、これ全部デブじゃん」あおいはさらりと言った。
「ええええっと、そうだよね。土屋君だよね?」大塚の手は汗でびしゃびしゃ。土屋真っ青。もう地獄。
「あのさ~小さい頃から一緒でいきなり窪塚洋介になるわけないじゃん」
あおいは席にドカッと座った。
「とりあえず靴舐めろ」とは言われてないが、土屋は倒れこみあおいの靴に顔を擦り付けている。
窪塚洋介というのはあおいの伝わりにくいジョークだったんだ、母さん。
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