第6話 あれの神

今日もあおいのミニスカをおかずにしてポールの昇り降りを繰り返した後、帰路に着いていると道の真ん中にコロリとした棒のような物が落ちてある。

手に取るとなんだかムニュムニュ、ペタペタとしており、てっぺんには可愛らしい熊の顔が彫ってある。

匂いを嗅ぐと甘酸っぱい。これはあおいが喜ぶのではないかとバッグに潜ませた。


翌日それを飾ると同時に二人が部室に入ってきた。

「それはなんですかい?ッッ!?部長!それは!!」

「…ん?これ?なんだ可愛いな」あおいは躊躇なくそれを握る。


土屋の驚きとあおいのそれを持つポーズで気が付いた。

それはあれじゃないか。

なんということだ。あれをあおいに持たせてしまい、想像力がフル回転し、ムッツリしてしまった。

いや、これではただのハッキリスケベだ。

「なんだこれ、動くのか?」あおいはスイッチを入れた。

ウインウインと熊の頭が回る。

しばらく黙ってあれを持つあおいを見つめていると、あれが光り高速回転しあおいの手から逃げた。

「あん、なんか落ちちゃった」


録音しておくべきだったと大塚は下唇を強く噛む。


光るあれは宙に浮いた。今はこんな機能がついているのかと感心していると、あれが喋りだした。


「我こそがあれの神なるぞ。貴様らに進言をしてやろうぞ」

「神?なに?」あおいはあれの前に立ち、よく見ているが、睨みをきかせているように見える。


あれがあおいの睨みに耐えきれなくなり、スウィングからバイブレーションに変化した。

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