第3話 どすこい土屋
入学式になった。
大塚は手書きの看板を持ち、あまり教師が居ないところで立っていた。
皆が指さし「なにあれー」と笑い去って行く。
大塚は次第に恥ずかしくなり、
ベンチでショボンと座っていると隣に何か大きな人がドスンと座った。
こちらのベンチが浮きそうだ。大塚はまたどこかへ去ろうとする。
「…ふむ。ムッツリ部とは大変興味深いでありますな。どんな活動を?」
太り、顔にあばたを沢山こしらえた男は言った。
大塚は戸惑う。どんな活動。考えてもみなかった。
「…主に女子の観察と…、エロ本鑑賞だ!」確かに活動はそれしかしていない。
「気に入った!おいどん入るでごわす!合否はあるのですかい?」今でもどすこい!と声が出そうだ。
「一番好きなエロ本を持ってきたら決めたる!」大塚も初めて興味を持たれ陽気になった。
「持参してあるでござる!おいどんは土屋と申すであります!」土屋の母国はどこなのだろうか。
カバンからさっとエロ本を取り出し大塚に渡す。
「緊縛アニメモノ…ほほうなかなかやりますねえ。ほう…いい仕事してますねぇ」大塚は土屋のエロ本を吟味した。
「合格!俺は大塚だ。土屋君は副部長だ!」右手で握手を求めると右手で返してきた。
腕相撲をとるようなかたちになり「どっこい!ありがとうございます!」と大塚の右手を軽くひねった。
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